兵庫県豊岡市の地域ブランド「豊岡鞄」は11月12日、東京駅「動輪の広場」とKITTE丸の内地下1階にて2020年の新作発表会および即売会を行った。会場では豊岡鞄を手掛ける各メーカーが自慢の新作を紹介するとともに、女優の藤原紀香さんを迎えてのトークショーも開催。豊岡鞄や城崎温泉、出石そばなどの魅力が語られた。

  • 東京駅で行われた「TOYOOKA KABAN 2020 COLLECTION FAIR」

生産量日本一、歴史ある鞄の街「豊岡」

兵庫県豊岡市は、日本のカバン生産の中心地として千年以上の歴史を持つ街だ。地域内で企画・製造・検品まですべてを担い、現在では鞄関連企業180社が集い、日本一の生産量を誇っている。

豊岡鞄は有名ブランドのOEMを中心として長年鞄の製造を支えてきたが、製造現場が海外へシフトしていく中、地場産業の復興をかけ、2006年に特許庁の地域団体商標に登録を申請。地域ブランド「豊岡鞄」が誕生した。これは工業製品として全国初となる。

「豊岡鞄」ブランドは、兵庫県鞄工業組合が定めた高い基準を満たす企業によって生産され、審査に合格した製品だけが認定される。同時に、日本初の鞄専門学校「アルチザンスクール」や「鞄縫製者トレーニングセンター」などによって、職人を育てる街としての道も歩み始めている。

  • 100年以上の歴史がある、オーダーメイド鞄の専門店「マスミ鞄囊」のバッグも展示

そんな「豊岡鞄」が11月12~14日にかけて東京駅構内およびKITTE地下1階で「TOYOOKA KABAN 2020 COLLECTION FAIR」を開催。会場では2020年新作コレクション展示や、豊岡鞄ブランド製品330点店以上が販売されたほか、お気に入りの鞄や城崎温泉が当たる「人気バッグ投票」なども行われた。

  • 東京駅構内およびKITTE地下1階の特設会場で多数の豊岡鞄を展示・販売

  • 鞄を購入した方には特製のミニチュアバッグもプレゼントされた

豊岡は、浴衣で七つの外湯めぐりができる「城崎温泉」や、小皿に盛りつけた皿そばを何枚も食べる独特の様式で知られる「出石そば」、特別天然記念物である「コウノトリ」を見ることができる公園などでも知られ、観光面でも注目したい街だ。

  • 城崎温泉の「ミスゆかた」も城崎温泉観光大使として参加

  • 城崎温泉のおみやげなども販売された

各社自慢の新作を一挙紹介

12日に行われたスペシャルイベントでは、「豊岡鞄」ブランドに認定されているメーカーが自社のバッグの魅力を紹介。日本初上陸となる超撥水のイタリアンレザーを使ったバッグや、「井原デニム」「福井・鯖江めがね」などとの地域間コラボ作品もアピール。来場者にその高い技術力と革新を続けるデザイン性を伝えていた。

  • 超撥水レザーを使用した独特なダレスバッグを紹介する「アートフィアー」

  • 井原デニムを使ったコラボバッグをアピールする「足立」

  • 荒木由美子さんプロデュースの5Wayバッグを紹介する「コニー」

  • ゴミを出さない地球にやさしい鞄作りを行う「タイムバッグス」

  • 高い技術力で美しく機能的なランドセルを製造する「HAKURA」

  • 女性目線のモノづくりを行い4つのブランドを持つ「由利」

藤原紀香さんを交えてのトークショーも

兵庫県出身の女優、藤原紀香さんを交えてのトークショーも開催された。藤原さんは、夫である片岡愛之助さんとともに、歌舞伎の公演で「出石永楽館」をたびたび訪れているそうで、豊岡にはなじみがあるそうだ。

  • 兵庫県出身で豊岡とのかかわりも深い、女優の藤原紀香さん

イベントにはお気に入りの白い豊岡鞄のリュックを持参し、「夫の愛之助が持っていたメンズバッグが『素敵だけどちょっと大きいな~』と思っていたら、小さい女性用モデルが出たので、すごくうれしくて!」と購入の経緯を話すとともに、「お世辞でもなんでもなく海外ブランドのカバンに負けない品質」「最近はデザインもかわいくて、女性が持っていてもいいようなものばかりで薦めやすい」と豊岡鞄の魅力を語る。

  • 藤原さんのお気に入りだという、コニーのブランド「CREEZAN」の「JETTER MINI RUCK」

また城崎温泉の街歩きや、出石そばを40杯以上食べて認定証をもらったというエピソード、豊岡のカバンストリートで見かけた「カバンの自動販売機」に驚いた話などを披露し、来場者に豊岡の魅力を伝えた。

「日本一の生産地というだけじゃなくて、品質がとにかくいいんです。ずっと触っていたい鞄たちがたくさんあって、プレゼントにも喜ばれます。父は私がプレゼントした黒い鞄をず~っと使っているんです。私は新しい鞄を買ってあげたいんですけど、父は『ずっと使えるくらい品質が良い』と言っていました。豊岡にぜひ足を伸ばしてみてください」