メルカリが、今年の7月に筆頭株主になったサッカーJ1 鹿島アントラーズの本拠地であるカシマスタジアムで、コード決済サービスのメルペイを飲食売店に導入した。11月1日には冠試合「Antlers Family Day with Mercari」が開催され、それに合わせて同地域で20%還元キャンペーンを実施。今後のメルペイ拡大を目指す考えだ。

  • 鹿島アントラーズ「カシマスタジアム」でメルペイが利用可能に

    茨城県カシマスタジアム

カシマスタジアムでは、これまで一部の店舗でクレジットカードなどのキャッシュレス決済に対応していたが、現金が主流だった。今回、メルペイに加えて、スポンサーであるNTTドコモのd払いの2種類をスタジアム内の全店舗に導入。キャッシュレス化を果たした。

スタジアム内の全店舗でメルペイとd払いに対応。11月1日限定で、メルペイのみ20%還元キャンペーンを実施した

冠試合が開催された11月1日は、スタジアム内にメルペイユーザー向けのガチャコーナーや導入支援ブースなどを設けて利用促進を図ったほか、カシマスタジアムと周辺の鹿嶋市、潮来市、神栖市、行方市、鉾田市のメルペイ加盟店(コード決済)での利用で20%を還元するキャンペーンも実施。アントラーズのサポーターをはじめ、周辺地域でもメルペイの利用拡大を狙った。

鹿島アントラーズの小泉文明社長は、メルカリと鹿島アントラーズは利用者層やファン層が異なり、相互に補完し合えると指摘。「サッカーのようなスポーツやエンターテインメントとテクノロジーは相性が抜群」と小泉社長は話し、メルカリのさまざまなテクノロジーを組み合わせてチームの強化や地域の課題解決といった取り組みを続けていく考えを示した。

  • 小泉文明社長

メルカリによる鹿島アントラーズ買収後、Slackによる情報共有や、これまで意志決定に7つのレイヤーを経ていたところを、「メンバー、マネージャー、役員の3レイヤーにした」(小泉社長)ことで、意志決定のスピード感を速めた。ペーパーレスや働き方改革といった生産性の向上も目指し、結果としてチームの魅力を高めることに繋げたいとしている。

メルカリの買収によって、鹿島アントラーズのサポーター内でもメルペイへの知名度が高まっており、9月にはメルペイが本人確認すると1人あたり1000ポイント相当の支援金をチームに提供するKASHIMAチャレンジキャンペーンも実施し、8,655件の利用があったという。単純計算で865万5000円分の支援金が提供されたことになり、こうした取り組みは今後も継続していく意向だ。

現時点で、カシマスタジアムは現金とキャッシュレス決済の2種類に対応。当面は現金が主流となるが、小泉社長は最終的にはキャッシュレス比率100%を目指すとしており、キャッシュレス決済が主流になることで、行列の解消などを促し、売上の向上などを期待する。キャッシュレス比率の低いスタジアム周辺の地域全体でも、キャッシュレス化を進めていく考えだ。

  • 購入のデモンストレーションを行う小泉社長。この店舗はメルペイ、d払いのみの対応