つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道は3日、TX総合基地で「つくばエクスプレスまつり 2019」を開催した。2020年春デビュー予定の新型車両TX-3000系が一般向けに初公開され、フリー撮影スペースに多くの来場者が集まった。
TX-3000系は「継承 - TX-1000系、TX-2000系のシリーズ性を感じさせる。」「進化 - 技術の進化にあわせた最新技術を採用する。」「洗練 - 良い印象を残し、次世代につなげる。」をデザインコンセプトに開発された6両編成の交直流車。計5編成を製造し、2020年春の営業運転開始を予定している。第1編成(TX-81編成)は今年9月、山口県下松市の車両メーカーから山陽本線・東海道本線経由でTX総合基地へ輸送された。
「つくばエクスプレスまつり 2019」の会場に展示されたTX-3000系は、車体前面・側面の表示器に「つくばエクスプレス」の文字とイメージキャラクター「スピーフィ」をLEDで表示。フリー撮影スペースは開場後から来場者の列ができるほどのにぎわいとなり、限られた時間の中で新型車両を撮影していた。中学生以下の子と保護者を対象とした記念撮影会(事前応募制)も実施。TX-3000系をバックにスタッフが撮影を行った。
TX-3000系の横にTX-2000系が並び、小学生以下の子と保護者を対象とした運転台見学(事前応募制)はTX-2000系を使用して行われた。会場内に設置された技術コーナーでは、直流車のTX-1000系が並び、軌道自転車の乗車体験(事前応募制)も。施設・電気の技術作業を紹介するパネル展示やクイズコーナーが用意された。
TX物販ブースではグッズ販売に加え、車両部品等の販売も行われた。その他、京急電鉄、小田急電鉄、西武鉄道、東京メトロ、流鉄、肥薩おれんじ鉄道など全国の20社近くの鉄道事業者が物販ブースを設けてグッズ販売を行い、ご当地グルメや駅弁、軽食・ドリンク等を販売するブースも設置された。
車両工場・車体更新場も見学可能で、工場内には台車を外したTX-2000系が並び、床下に搭載された電動空気圧縮機やバッテリー箱、主変圧器、SIV装置、主変換装置、ATC/ATO装置といった機器に関する説明もあった。TX-3000系に搭載する主電動機(全閉型モーター)などが展示され、パンタ上げ下げ操作体験も行われた。2階にはTX-2000系の模型やTX-3000系のモックアップがあり、こどもたちを連れた家族が写真撮影。出口付近では「新型車両TX-3000系ができるまで」と題したパネル展示が行われ、製造の様子や東海道本線経由で輸送される様子などが写真で紹介された。
今年のイベントは新型車両TX-3000系の公開もあり、開場後から多数の来場者でにぎわっていた様子だった。「つくばエクスプレスまつり」の例年の来場者数は1万5,000~1万6,000人。首都圏新都市鉄道によれば、15回目のイベント開催となった今年、来場者数は約2万1,000人とされ、過去最高を記録したとのことだった。