報告書に「問題解決に努めております」と記載しようとしたら、「つとめて」の選択肢に「務めて」「勤めて」という文字が。ん? 問題解決につとめる場合って「努める」で合ってる?

  • 努めて、務めて、勤めての違いを正しく理解していますか?

    努めて、務めて、勤めての違いを正しく理解していますか?

そこで今回は、使い分けに迷う言葉「努めて」について解説します。

「努めて」の意味と例文

努めては、「努力するさま」「可能な限り力を尽くしてことを成すさま」という意味の言葉で、「勉めて」と書くこともありますが、「努めて」の方を使用するのが一般的です。

  • 昨年出産し、今春から育児と仕事の両立に努めています。
  • 問題の早期解決に努めてはいますが、もう少し時間がかかりそうです。

「努めてまいります」の使い方と例文

今現在努力している場合には「努めています」という言い方をしますが、これから「努力していきます」「力を尽くします」という意志を示す場合には、「努めていきます」になりますね。しかしながら、大抵の場合、「努力していきます」という意志を示す相手は目上の人であり、そうなると、謙譲語を用いる必要があります。

「努めていきます」の謙譲表現は、「いきます」を謙譲語の「まいる」に変換し、丁寧の助動詞「ます」を組み合わせ、「努めてまいります」とするのが適切です。

  • 再犯防止に努めてまいります。
  • これまで培ったスキルを活かし、御社に貢献できるよう努めてまいります。
  • 微力ではございますが、○○の後任として誠心誠意努めてまいります。
  • ご期待に応えるべく努めてまいりますので、ご指導の程よろしくお願い申し上げます。

「努めてまいります」の類語表現

「努めてまいります」のように、目上の人に対して「力を尽くします」「頑張ります」といった意志を示す言葉はほかにもあります。ここで、「努めてまいります」の類似表現を紹介しましょう。

励んでまいります

励むとは、「熱心に事を行う」「力や気持ちを奮い起こして物事をする」という意味の言葉で、「努めてまいります」と同様に、目上の人に対して「頑張ります」という気持ちを伝えたい場合には、謙譲表現の「まいります」を付けて「励んでまいります」とするのが一般的です。

  • 監督の言葉を胸に、より一層練習に励んでまいります。
  • 新薬の開発に、日々励んでまいります。

尽力いたします

尽力(じんりょく)とは、「ある目的のために、力を尽くすこと」「ほねおり」といった意味を持つ言葉です。力を尽くす決意を目上の人に対して述べる場合には、「尽力いたします」と表現します。

  • お客様に喜んでいただけるよう、尽力いたします。
  • ご期待に添えるよう、尽力いたします。

精進してまいります

精進(しょうじん)とは、「一つのことに精神を集中して励むこと」「一生懸命に努力すること」という意味の言葉です。この言葉をよく耳にするシーンといえば、相撲界での新横綱誕生の時ではないでしょうか。「一層稽古に精進してまいります」「相撲道に精進します」など、横綱の口上でよく登場するフレーズですね。

ビジネスシーンでも同様に、自分のやる気を表明する際に「精進してまいります」と表現することができます。

  • 社長のご期待に応えるべく、より一層精進してまいります。
  • 優勝という結果に甘んじることなく、今後も精進してまいる所存です。

精励する所存にございます

精励(せいれい)とは、「仕事に精を出すこと」「勉学に励むこと」といった意味の言葉で、主に仕事と勉学を対象としています。

  • 一日も早く戦力となれるよう、一所懸命精励する所存にございます。
  • 弁護士資格の取得を目指し、今まで以上に精励する所存にございます。