「お申し付けください」の類語
「お申し出ください」と同じように、相手から何かを申し出てほしい場合に用いる言葉は他にもあります。幾つかご紹介しましょう。
仰せ付けください(おおせつけください)
「仰せ付けください」は「言い付けてください」の尊敬表現です。そのため、皇族や大臣など遥かに高い地位にある人に使用するのが一般的です。時代劇で、家臣が殿様に向かって「何なりと仰せ付けくださいませ」と述べているシーンを思い浮かべていただくと、イメージしやすいのではないでしょうか。
- 不自由な点がございましたら、何なりと仰せ付けください。
お知らせください
「お申し付けください」よりも少々軽い表現になります。課内会議など、堅苦しくないような場面で用いるとよいでしょう。
- 以上が手配済みの機材になります。他に必要なものがあれば、今日中にお知らせください。
お声がけください
文字通り、「声をかけてくださいね」という意味です。命令や指示・頼みごとを聞く場合はもちろんのこと、ちょっと席を外したい場合などに「必ずひと言声をかけてもらえますか」とお願いするような場面でも用いられます。
- 外出する際は必ずお声がけください。
- 途中で体調が悪くなるようなことがございましたら、近くのスタッフまでお声がけください。
お申し出ください
意味も表記も「お申し付けください」と類似した丁寧な表現ですが、命令や指示を受ける場合に、「お申し出」よりも「お申し付け」の方が権威をもって命じられるニュアンスが強くなります。「お知らせください」と「お申し付けください」の中間的な表現といえるかもしれませんね。
- 何かお手伝いできることがございましたら、ご遠慮なくお申し出ください。
- ほかにご要望はございませんか?いつでもお申し出ください。
客室に通されたあとで、「足りないアメニティがありましたら、フロントまでお知らせください」「乳製品にアレルギーがあると伺っておりますが、ほかにございませんか?」「貸し切り風呂のご利用は予約制となっております」などと一から十まで説明されては、ゆっくり休めませんね。
過度な説明はほどほどに、あとは「何かございましたら、何なりとお申し付けください」で充分ではないでしょうか。敬語をうまく使い分けて、言葉のスキルアップを目指しましょう。