――「失敗」の反対は「成功」ですが、今までの一番の成功は、やはりバブリーダンスでしょうか?

そうですね。「日本高校ダンス部選手権」の準優勝で、その結果が出たときは落ち込んでいたんです。でも、見てくださった方に「面白い」と言っていただいて、その言葉に救われた部分があります。今のお仕事もそれがきっかけで導いてもらったので、成功というか、自分の中ですごく大きな出来事だったなと思います。

――バブリーダンスの当時に、こうして朝ドラに出るなんて想像できなかったですよね。

全く想像してなかったですし、将来の夢に芸能人という候補が入ることすらなかったので、なんだか不思議だなと思います。でも、バブリーダンスって自分の芯になるというか、初心に戻れる場所なので、あれがあっての今なんだというのを忘れないようにして、これからは失敗を恐れず頑張りたいなと思います。

――こうして現在ご活躍されて、当時のチームメイトからの反響はいかがですか?

バラエティに出させてもらうと、それを見てくれた友達とかは絶対連絡をくれたり、写真集とかのイベントがあればわざわざ大阪から日帰りで参加してくれたり。コーチとご飯に行かせてもらったりとかもしているので、いつかみんなでまた踊れたらいいなと思います。

――絆が深いんですね。

そうですね。高校時代は家族よりも長い時間一緒にいたので、普通の友達じゃないです。家族みたいに何でも言えちゃうし、本当に心から応援してくれてるんだなっていうのがすごく伝わってくる仲間なので、いろいろあったけど、私にとって今一番パワーになる、頑張れる源です。

――伊原さんがごまかせていたと思っていた失敗も全部さらけ出してもらって、もっと絆を深くしていけるといいですね(笑)

そうですね(笑)。本当にみんながどう思っているのかを、ただただ知りたいです(笑)。放送が終わったらみんなに確認して、また出場するときのために、ネタ集めしておきます(笑)

■失敗することも大事

――あらためて、この『NHK杯 輝け!!全日本大失敗選手権大会』という番組は、どんな印象ですか?

皆さんの話が面白すぎて、ずっと笑っていました。私は失敗を避けて通ってきたつもりだったんですが、「あー失敗することも大事だな」と聴いてて思いました。それと、失敗を皆さんの前で言葉にすることで、自分が思ってた以上に意外と大したことじゃなかったり、笑ってもらえたりできるエピソードがあるんだなと思いました。

―――“失敗さん”同士でなにかお話しもされていたんですか?

リハーサルをしたときに、『筋肉体操』の村雨辰剛さんが「すごい面白かったです」と言ってくれて、それがちょっと自信になりました(笑)

――バラエティ番組に出るのはお好きなんですか?

はい! なので、バラエティの収録はすごく楽しいです。お笑いも好きで、普通、ダンスをやってる子は「かっこいい」とか「かわいい」とか思われたいはずなんですけど、私たちの部活は「面白い」と言われたほうがうれしくて、どれだけ笑いを取れるかみたいなところに懸けていた部分があったので(笑)。今日もめっちゃ楽しかったです。なおかつ失敗話をして、自分で勝手にスッキリさせてもらえたので、ありがたいです(笑)

  • 『NHK杯 輝け!!全日本大失敗選手権大会 ~みんながでるテレビ~ 夏スペシャル』(NHK総合 8月14日19:30~20:42)
    「みんながでるテレビ」をコンセプトに、子どもからお年寄り、北は北海道から南はアフリカ(?)、とにかく、ありとあらゆる失敗話をみんなで笑い合うバラエティ番組。今回は、全国各地の“失敗さん”に交じって、バブリーダンスで有名になった、連続ドラマ小説『なつぞら』出演中の女優・伊原六花が“失敗さん”として登場する。
    写真は今回の出場者たち (C)NHK

■朝ドラ出演に親族も大喜び

――『なつぞら』も終盤に向かっていきますが、伊原さん演じる“モモッチ”の見どころを教えてください。

すずさん演じるなっちゃんが東京に来て初めて仕事をするときに隣の席にいたという関係から、今はなっちゃんが相談できる話し相手になっていき、その関係がこれからも続いていきます。その中で、モモッチの成長もありますし、『なつぞら』もどんどん面白くなっていくので、楽しんで見ていただけたらなと思います。

――登場人物たちが“失敗”したり、壁にぶつかったりしながら、成長していく姿が描かれていますよね。モモッチも、“失敗”はありましたか?

モモッチって、周りの人からしたら「おいおいダメだろ!」って思うことも、悪気なく言っちゃうんです。なっちゃんと坂場さん(中川大志)が付き合ってるとウワサを流してしまったり(笑)。でも、本人は失敗と思っていないので、そういう憎めないキャラがこれから大人になってどうなっていくのかというところも見てもらえればと思います。

――川村屋に連れてきてバターカリーを注文したなつが、雪次郎(山田裕貴)の騒ぎでいなくなっちゃって、坂場さんと2人きりにされてしまう…なんて失敗というかハプニング的な出来事もこともありました。

あのシーンは、私が思ってた以上に皆さんがSNSで「モモッチ、2人で残されてどうなっちゃうの?」ってつぶやいてくれていたので、モモッチを見てくれているんだなと思って、うれしかったです。

――SNSは結構見ているんですね。

すごい見ます。モモッチのシーンもそうですけど、私が出てない場面でも「こういう見方があるんだ」って気づかされますし、登場人物のモデルになっている人の予想も結構当たっていて、すごいなと思います。

――朝ドラの影響力の大きさは感じますか?

他のドラマだと、若者向けとか年配の方向けとか、作品によって違うことがあると思うんですけど、朝ドラって本当に幅広い年齢層の方が見ているので、道を歩いていると、若い方にもお母さん世代の方にも声をかけてもらえることが増えて、やっぱりすごいなと思いました。それに朝ドラに出たら、おばあちゃんが連絡をくれてすごい喜んでくれたりもしました。

――ご両親も喜ばれているのでは?

もう毎回見てくれてるし、録画して「今日は10回見た」って連絡がきて(笑)。「いや見すぎでしょ!」って言いながらも、やっぱりうれしいです。