生活情報誌をメインとして、20年近く家計のやりくりの取材をしてきた筆者。その経験を通して実感することは、お金を貯めている人は自分の財布を大切に扱っているということです。

「財布を見せてください」とお願いしたとき、「あれ?どこに置いたかな?」と置き場所を忘れているようなことは、まずありません。外出した日でも、帰宅後、財布を取り出し、中身をチェックしてから、決まった場所に戻します。

今回は、お金を貯めている人の財布の扱い方や財布自体の共通点を紹介します。

1. 財布にお金をいれるタイミングが決まっている

貯め上手さんは、財布にお金を補充するタイミングと金額が決まっています。たとえば、「毎週月曜日の朝に2万円補充する」など。

手持ちの現金がなくなったら、その都度、ちょこちょこ銀行口座から下ろすということはありません。決めまったタイミングで、決まった金額を財布に入れることで予算をキープすることができるからです。

2. レシートをためない

財布をカバンの中に入れっぱなしにせず、帰宅したら財布を出します。その際にレシートをチェックして家計簿に記入。記入が済んだら、レシートはゴミ箱行きに。

会社の経費精算用の領収証は財布から出して、専用の封筒に入れて管理します。

3. レシートとお札を同じ仕切りに入れない

貯め上手さんは、買い物をして受け取ったおつりのお札とレシートを、そのまま同じ仕切りに入れることはしません。お札とレシートは分けて、別々の仕切りに入れます。

レジでお札を出したら、間にレシートが挟まっていたということはありません。お札とレシートが一緒になっていない方が、手持ちの現金が把握しやすくなります。

4. クーポン券は独立させてポケットに入れる

クーポン券は使い忘れを防ぐために、別にして財布のポケットに入れています。だからといって、クーポン券で財布がパンパンということはありません。よく行くお店や使う予定のあるクーポン券だけを携帯して、お得は逃しません。財布の中身が整理された財布には期限切れのクーポン券が混じっているということもまずありません。

5. カード類が少ない

財布に入っているカードは、銀行のキャッシュカード、クレジットカード、あとはポイントカードが1~2枚程度。ポイントは貯めるカードを絞り込んで集中的に貯めているので、ポイントカードが何枚も財布に入っているということはありません。

6. 小銭が少ない

貯め下手さんはよく「1万円札を崩したら、いつの間にかなくなっていた」と言いますが、貯め上手さんにはそういったことはありません。

1万円札はもちろん、5千円札、千円札でさえ、できるだけ崩さないようにして小銭から使うようにしています。そのため、財布に小銭がジャラジャラ入っているということはありません。

7. 財布選びにはこだわりが

貯め上手さんは小銭を取り出す頻度が多いので、財布選びの際も小銭の出しやすさをチェック。小銭入れ部分が大きく開いて、中身が見やすく、出しやすい財布を選ぶようにしています。

小銭入れ部分だけではなく、財布にこだわりと愛着があり、好きな色柄、素材、ブランドよりも、仕切りやポケットの数、バッグに入りやすいサイズなど使い勝手を優先させて選ぶ人が多い傾向があります。

8. ラッキーアイテムが入っている

貯め上手さんはできるだけ財布に余計な物を入れず、スッキリ使っていますが、ラッキーアイテムが入っているのが共通点。大吉のおみくじ、金運がつくと言われている蛇や蛙のミニフィギュア、外国のコインなどをそっと忍ばせています。

貯めている人の共通点は、とにかく財布を大切にして、こだわりがあるということです。貯めている人の中には、1日の最後に乾いた布で財布を拭きながら「お疲れ様でした」と声をかけるという人も。

「なかなかお金が貯まらない」という人は、貯めている人の財布の共通点を真似することから始めてみるというのはいかがでしょうか?

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。