世界累計4,400万部の発行部数を誇る人気コミック『東京喰種 トーキョーグール』。様々にメディアミックスされ、2017年には原作者・石田スイの熱い希望で窪田正孝主演により実写映画化された。読書好きの平凡な大学生でありながら、ある事件をきっかけに人間しか食べることのできない喰種になってしまう金木研(カネキ)の戦いを描いていく。

現在公開中の続編、映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』では、前作から監督・スタッフを一新。美食家の月山(松田翔太)と”喰種同士の戦い”を描く。月9ドラマ『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』も好評、2020年度前期放送のNHK連続テレビ小説『エール』主演も決定し波に乗る窪田に、新たな試みとなった同作について、話を聞いた。

  • 窪田正孝

    窪田正孝 撮影:宮田浩史

■松田翔太に感じた魅力

――今回は、窪田さん演じるカネキと、松田翔太さん演じる月山習役との喰種VS喰種のバトルが見どころです。共演して松田さんのすごさを感じられたということですが、具体的にどのような点だったのですか?

日本人にない感覚を持っている、というか。英語もできるし、海外にもたくさん行かれていて、自分から発信して新しいことに挑戦されていたり、野心を持っているところにすごく魅力を感じましたね。

今回の監督(川崎拓也監督、平牧和彦監督)はずっとCMを撮られていた方なので、映像に長けていらした一方で、芝居についてはもっと「こうしたい」というところも出てくる。そういうところを1番補ってくれたのが翔太さんでした。経験も全然違うし、キャラクターの奥行きまで見えている方で、すごく勉強させてもらいました。そして、役者のそういう思いを受け入れてくれる2人の監督だったので、皆でないものを補い合って作り上げていけたと思います。

――松田さん演じられた月山も、かなりインパクトのあるキャラクターでしたよね。

月山みたいにはっきり生きられるのは、ある種の理想ですよね。本当に思います。今回も、月山を軸に話が動いていくし、軸の人が暴れてくれると、波紋がどんどん広がっていくんです。原作があるとどうしてもなぞってしまうところがあるのですが、翔太さんは自分の中に取り込んで吸収してから、演じてくれる。いったん0に引き戻してから演じてくださったと思うし、月山のリアルさが不気味で、すごく説得力のある映像になったんじゃないかと思いました。

前作から監督もヒロイン(山本舞香)も変わりましたし、すべてが新しいものになった感じがしています。自分たちが前作からやってきたものは引き継ぎながら、次のレベルの世界に行ったらツワモノ達しかいない、みたいな。映像に奥行きがあって、いい意味の不気味感のある作品になったと思います。

――前作の時は、試写の時に石田スイ先生が横にいて緊張した…というお話でしたが、今回は最初から客観的に観れたんですか?

今回の試写は舞香ちゃんと同じ回だったんですが、僕、試写を観た後に感想言うのが苦手なんです。観たら早く帰りたい(笑)。でも、最初に観た時から、テイストが好きだなと思いました。テンポがよくて、非現実的な面が強く、リアルな不気味さに変わってる感じが、面白かったです。