モチベーションエンジニアリング研究所はこのほど、「2019年度 新入社員意識調査」の結果を明らかにした。同調査は4月、2019年度の新入社員567名に対して、インターネットで実施したもの。

  • 期待度・満足度中心点の座標

    期待度・満足度中心点の座標

同調査では、回答結果を「期待度」「満足度」の各項目のスコアおよび期待度×満足度の2軸で整理した「4eyes Windows」で分析した。その結果、「期待度」の高い項目ほど「満足度」が低い右肩下がりの状態であることがわかった。

項目別の期待度を見ると、「休暇や休日の取得状況」「家賃など補助手当」など、「待遇の良さ」に関する項目が上位を占めている。さらに「風通しの良さ」「快適な職場環境」といった働きやすさは上位だが、「実力主義の評価制度」は低かった。

  • 項目別期待度上位、下位ランキング

    項目別期待度上位、下位ランキング

このことから、今年の新入社員は無理なく働きたいという傾向であることがわかるという。また、総じて「居心地の良い環境で、無理なく働きたい」という個人志向が強い者が多いとのこと。「企業理念」など、組織に関わる項目の期待度が低いことから、組織志向が弱いこともわかったという。

同社によると、組織志向が弱いのは新入社員だけではないという。既存社員に対する同様の調査(従業員エンゲージメント調査)を過去5年分抽出した結果、既存社員の組織志向も低下していることがわかった。

  • 従業員エンゲージメントサーベイにおいて期待度の低下が大きい5項目

    従業員エンゲージメントサーベイにおいて期待度の低下が大きい5項目

組織志向の形成にあたっては、新入社員に対する既存社員からの働きかけも期待できないため、入社後の期待形成は難しいと推測されるという。