NHK連続テレビ小説『なつぞら』(毎週月~土曜8:00~)で、広瀬すず演じるなつの生き別れた妹・千遥役は、人気若手女優の清原果耶だった。事前の出演告知がなかっただけに、前週からネットでいろいろな憶測が飛び交った中での初登場。清原の女優デビュー作が朝ドラ『あさが来た』で、清原が広瀬と『ちはやふる -結び-』(18)でも共演していただけに、視聴者からは非常にウェルカムなムードで迎えられた。
千遥は、なつや兄・咲太郎(岡田将生)たちと離れ、5歳の時に預けられた千葉の親戚の家で辛い仕打ちを受け、6歳で家出をするという壮絶な人生を送ってきた。その後の消息は明かされていなかったが、幼い頃になつが送った手紙の住所を辿って訪れた柴田家で、歓待される。果たして千遥は、なつたちと再会できるのか? また、清原は、千遥という重要な役どころにどう向き合ったのか?
――千遥役については、誰が演じるのか? というトピックにネットが騒然となりました。清原さんはどんな思いで、現場に入られたのですか? その舞台裏についてお聞きしたいです。
キャストとしては、放送まで発表がないというのは、すごくありがたいことでした。キャスト名が先に出ると千遥像のイメージが先行してしまう不安がありましたので。もちろん、千遥役へのプレッシャーは、数え始めたらきりがないので、そこに関してはスタッフさんやキャストのみなさんに身を任せてやらせていただきました。
――草刈正雄さん演じる泰樹さんに牛の乳搾りを教えてもらうシーンは、いかがでしたか?
泰樹さんから「やってみて」と言われて千遥が初めて乳搾りをします。なんとか搾れた時、泰樹さんの顔を見たら、目線がすごく柔らかくて、そのお顔がとても印象に残っています。十勝は姉のなつが育った場所でもあるので、じんわりと温かい気持ちになりました。
泰樹さんは、いきなりやってきた千遥にびっくりしたとは思いますが、自分たちが受け止めてあげなければ、この子はいなくなってしまうかもと思われたんじゃないかと。だから、なつが柴田家に初めて来た時と近いものを感じ、千遥を柴田家の家族の輪に入れてくれたんだと思います。
――柴田家のみなさんの輪の中に入ってみて、現場の雰囲気はつかめましたか?
柴田家で食卓を囲むシーンがいくつかあったんですが、お芝居の延長線上で、カットがかかってからも料理を食べ続けるキャストの方がいたり、お話もずっと続いたりしている楽しい様子が見えて良かったです。
また、衣装合わせの時にヘアメイクさんが「髪型も似ているほうがいいよね」ということで、なつと同じ三つ編みにしてくれたんです。なつは後ろで三つ編にしていましたが、千遥は横で三つ編みにしてもらいました。その髪型でなつが昔着ていた作業着を着るので、ビジュアル的には姉妹感が出たかなと。私自身は、『なつぞら』のポスターと一緒だ! と思いました(笑)。
――また、朝ドラに戻ってこられたということで、その醍醐味と、女優としての抱負についても聞かせてください。
朝ドラは朝に放送されるドラマなので、見ていて応援したくなるような清々しいキャラクターが出てくるし、毎朝ドラマが放送されることで、今日も1日頑張ろうという活力になるような物語でもあります。だからまた出演することができて、純粋に嬉しかったです。
女優としてなにか1つの色に染まることなく、これからもいろんなジャンルに出演できるように、もっと勉強していければいいなと思っています。
清原果耶(きよはら・かや)
2002年1月30日生まれ、大阪府出身の女優。「アミューズオーディションフェス2014」グランプリを受賞し、連続テレビ小説『あさが来た』(15~16)で女優デビュー。大河ファンタジー『精霊の守り人』(16~17)や『透明なゆりかご』(18)などのドラマに出演。映画は『3月のライオン前編/後編』(17)、『ちはやふる -結び-』(18)、『愛唄 -約束のナクヒト-』(19)、『デイアンドナイト』(19)などに出演。主演を務める『螢草』がNHK BSプレミアムで7月26日から放送、ヒロインを務める『マンゴーの樹の下で~ルソン島、戦火の約束~』がNHK総合で8月8日放送。
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