札幌市交通局は2020年度に予定している路面電車事業(札幌市電)の上下分離について、導入のメリットや導入後の体制などの解説をインターネット上に公開している。
札幌市電の上下分離に関して、施設・車両の保有整備は従来通り交通局が担い、旅客運送は一般財団法人札幌市交通事業振興公社が担う方式で実施する予定。2020年4月の導入を見込んでいる。
交通局は解説の中で、上下分離には「経営基盤の強化」「安全管理体制の維持・継続」「新たな事業展開による収益向上、利用者サービスの向上」の3つのメリットがあると説明。専門的な技術を習得した職員が継続して業務を担当することが可能になり、安全運行のノウハウや技術・技能が継承されるといった利点があるとした。また、公社は地方公営企業法などの制約を受けないため、柔軟な発想によって事業展開を進めることが可能になるとしている。
上下分離へ移行する際、路面電車事業に従事している交通局の正職員を公社に派遣するとともに、現在非常勤で運行に従事している運転手が公社に移籍するなど現行の運行体制と同じ体制とすることで、安全運行の確保を図る考え。乗車料金や運行ダイヤなど、現在と同じ水準を維持する予定とした。