声優・中田譲治が発起人となったイベント「声優紅白歌合戦2019」が4月14日、千葉・舞浜アンフィシアターにて開催された。出演者は中田譲治(発起人)、諏訪部順一(総合司会)、植田佳奈(総合司会)、紅組に井上喜久子、井上ほの花、岩男潤子、笠原弘子、小松未可子、中川翔子、日髙のり子、平野綾、横山智佐、白組に井上和彦、内田直哉、大塚明夫、黒田崇矢、関 智一、武内駿輔、豊永利行、平川大輔、堀内賢雄。
イベントがスタートすると、まずモニターにオープニングムービーが流れだす。そのナレーションを担当するのは杉田智和。そして中田からの「舞浜まで来てくださって、ジョージ観劇!」という挨拶が開始の合図。司会の諏訪部順一と植田佳奈がそれぞれ白と赤の衣装で登場する。
まずトップバッターを飾ったのは平野綾の「God knows…」。『涼宮ハルヒの憂鬱』の劇中歌でもある本曲を、ハルヒ役の平野が歌うというだけあって、一気に会場のボルテージはマックスに。歌い終えると、「やっぱり声優としての私を知っていただいた大事な作品なので、大事に歌いました」と感慨深そうに語った。続けて白組のトップバッターは武内駿輔。選んだ楽曲はなんと「銀河鉄道999」だ。低音を響かせるその歌声に、観客は驚きと喜びの入り混じったような声を送る。本曲をチョイスした理由は、「もともと松本零士先生の作品が好きで、幼少期から観ていたので憧れがありました。声優というものを世の中に伝える際に、若い世代にも歴史を伝える機会にさせていただけたら」とのこと。
お次は白組からは大塚明夫、紅組からは岩男潤子が登場。大塚は『メタルギアソリッド ピースウォーカー』より「昭和ブルース」を熱唱。紫色のスポットライトに照らされながら歌うその姿は、ダンディズムの塊のようであった。一方、岩男は「KEY THE METAL IDOL」の主題歌「手のひらの宇宙」を披露した。 熱狂のステージはまだまだ続き、白組からは堀内賢雄が『アンジェリーク』シリーズで自身が演じたオスカーの「愛としか呼べない」を、紅組からは井上喜久子が自身がヒロイン役を演じた『おねがい☆ティーチャー』のOPテーマ「Shooting Star」をそれぞれ披露。
そして平川大輔が『Free!』の「水中飛行論における多角的アプローチ」を歌い、井上ほの花が『NARUTO -ナルト- 疾風伝』のOPテーマ「ブルーバード」を歌唱。ここでまさかの、井上ほの花と井上喜久子がステージでの「親子歌唱共演」を果たすことに。歌い終えたあと井上ほの花は「バンジージャンプを飛ぶのと同じくらい緊張しました」と語ると、井上喜久子は「次はピンクレディーを歌おう」と提案する一幕も。
ここで前半戦は終了し、コラボコーナー企画へ。まずは大塚明夫と黒田崇矢という低音ボイスのふたりによるアリスの「チャンピオン」、日高のり子と中川翔子による「トップをねらえ!~Fly High~」などが歌われ、会場は大盛り上がり。さらに、岩男潤子と平野綾が「創聖のアクエリオン」、最後には井上和彦、内田直哉、堀内賢雄の3人がコブクロの「桜」を熱唱した。小山力也からのビデオメッセージなども届き、和気あいあいとしたステージとなった。
ここからは後半戦。まず笠原弘子が『機動警察パトレイバー』のOPテーマ「コンディショングリーン~緊急発進~」を歌唱し「緊張したけどみなさんが盛り上がってくださってうれしかったです。歳を忘れて若返っています。これもアニメソングの力だと思います」と笑顔。対する黒田崇矢は「譲治さんから何を歌ってもいいと言われた」と自身がボーカルを務めるバンド・黒田崇矢 & Goodfellasより「必ず景色は変わる」を歌唱。そして、自身の代表作である『龍が如く』の主人公・桐生一馬のセリフ「死にてえヤツだけかかってこい!」をステージに響き渡らせると、会場からは割れんばかりの歓声が起こった。
次は、紅組からは横山智佐、白組からは関智一が登壇。横山は『サクラ大戦』より「ゲキテイ(檄!帝国華撃団)を熱唱。ともに『サクラ大戦』シリーズに出演する日高のり子と井上喜久子もバックダンサーとしてステージに登場する嬉しいサプライズも。「『ゲキテイ』は22年間歌わせていただいて、20世紀、21世紀をまたぎ、今回は元号をまたぎました。ステキな曲なのでこれからも愛してください!」と力強く語った。
対する関は『機動武闘伝Gガンダム』の挿入歌歌「戦闘男児~鍛えよ勝つために~」を披露すると、途中で秋元羊介が参戦。思いがけないドモン・カッシュと東方不敗マスター・アジアの共演に歓喜の声が湧き上がった。関は「当時は20代前半だったのに、いまは50代間近ですよ」と笑い「自分だけで歌うのもなんですから、師匠に来ていただけないかなと訪ねたら快く受けてくれました」とコメントすると、秋元は「関くんとはいろいろなところでコラボをやっていますけど、今回は当時を思い出しながらやらせていただきました」と師弟愛をのぞかせた。
そして、小松未可子は『ボールルームへようこそ』のエンディングテーマ「Maybe the next waltz」を披露し、「きょうは素敵な先輩方と共演できて、こんなに光栄なことはないです」と想いを語る。続けて豊永利行が『デュラララ!!×2 転』の「Day you laugh」を歌い「今日はレジェンドがたくさんいるなか、若手は武内くんがいるよと言われたんですけど、その武内くんが『銀河鉄道999』を歌って、僕は最年少の気持ちで歌わせていただきました」とコメントを残した。
続いては、紅組から中川翔子が登場し、『天元突破グレンラガン』オープニングテーマの「空色デイズ」を歌い、「(実際の)第58回NHK紅白歌合戦で同局を披露したときと同じくらい緊張した」と語った。白組からは内田直哉が自身もデンジグリーンとして出演していた『電子戦隊デンジマン』より「ああ 電子戦隊 デンジマン」を披露。これには中川も「私が歌ったあとが『デンジマン』で全身の細胞が逆流しました」と興奮気味に語る。そして内田は「主題歌をうたっていた成田賢さんが他界されたものですから、これからは僕が歌い継がせていただきたい」と決意を表明した。
白熱の対決もクライマックス。紅組のトリを飾ったのは日高のり子。井上喜久子、井上喜久子と一緒に『らんま1/2』より「ハート ないしょ/2」」を披露。続く白組のトリである井上和彦は『サイボーグ009』より「誰がために」を歌唱し、「先ほどの話じゃないですが、僕もこの曲を歌い継がせてもらおうかな」と語った。
全員の歌唱が終わると、採点の時間へ。あらかじめ観客に配られた紅白のうちわの数で勝敗が決まる本イベント。バードウォッチングクラブによるカウントの結果、白組に軍配が上がる結果に。そして、白組を代表して、諏訪部と井上和彦にトロフィーが手渡された。井上和彦は「劣勢かと思っていたのでびっくりしました」と驚いた様子を見せた。
最後に中田は、「こんなにたくさんのお客さんに囲まれ、素敵な出演者に来ていただきました。夢を叶えてくれたスタッフ、出演者のみなさん、ありがとうございます!」と感謝のことばを述べた。司会の植田も「こんなに光栄なことはない」、諏訪部は「声優のあり方が変わってきていますが、音楽と声優の親和性の高さを提示できるのは、我々にとってもありがたい。令和の時代も応援していただければありがたいです」と改めて謝辞を述べた。
そして、最後は出演者、そして観客全員で『NARUTO -ナルト-』のオープニングテーマ「GO!!!」を熱唱し、本イベントは幕を下ろした。そして、イベント終了後、会場のモニターには今回のイベントの様子が7月14日にCSファミリー劇場にて放送されることが発表。続けて、「声優紅白歌合戦2020」の開催が発表された。
(C)2018 「声優紅白歌合戦」実行委員会