会議中、あるいは接客中に誰かから着信があったけれどスマホを確認できない――なんてシチュエーションに悩んだことはないだろうか。こんなとき、さりげなくボールペンか何かでササっと着信の内容をチェックできたらいいのに――。

ビジネスパーソンのそんな願望を叶える製品がついにキングジムから登場した。スマートボールペン「インフォ」(INF10)では、スマホからプッシュ通知を受け取り、電話の発信者、メール、LINEやSNSの内容などを液晶ディスプレイに表示することが可能だ。

  • キングジムからスマートボールペン「インフォ」INF10が登場。発売日は6月14日

    キングジムからスマートボールペン「インフォ」(INF10)が登場。発売日は6月14日

 デモ機の感触は?

インフォは小型ディスプレイを搭載した赤と黒の2色ボールペン。iOS / AndroidスマホとBluetoothで連携して使用する。実際にデモ機を手にすると、少し太めだが持ちやすい印象だった。重量も普段使いのペンと変わらない約40g。真鍮製の本体は、いかにも高級そうなペンといった装いで、これならビジネスシーンでも違和感なく使えそうだ。

  • 真鍮製の本体は高級感がある

    真鍮製の本体は高級感がある

着信はバイブとLEDで知らせる。モノを書いているとき、これがブルっと震えるわけだから最初は驚くだろう。デモ機では胸のポケットに挿していても気がつくくらいの、それでいて程よい振動を感じた。ディスプレイをチェックすると、なるほどメールなら件名だけでなく本文の内容まで表示されている。なおプッシュ通知を受け取りたいアプリ、通知を知らせるLEDの色は、スマホ専用アプリ「Info+ App」で自由にカスタマイズできる。

  • 電話がかかってきたときのディスプレイとLEDのイメージ

    電話がかかってきたときのディスプレイとLEDのイメージ

  • 通知を受け取るアプリ、点灯させるLEDの色は「Info+ App」アプリでカスタマイズ可能

    通知を受け取るアプリ、点灯させるLEDの色は「Info+ App」アプリでカスタマイズ可能

受信した通知は最大40件まで自動保存し、スマホとのペアリングを解除すると自動削除される。原稿執筆時点では、音声着信(電話)、SMS、メール(Gmail、Yahoo! Mail、Outlook、Messengerなど)、リマインダー、カレンダー、Facebook、Twitter、Instagram、TikTok、LINE、Skype、Chatwork、Slack、Snapchat、WeChat、WhatsApp、mercariなど各種アプリに対応していた。今後、順次拡大予定との説明だ。ビジネスツールも含まれているので安心だし、リマインダー、カレンダーからもプッシュ通知を受け取れるのがありがたい。

  • ペン差しが、専用の充電クレードルになっている。45分間の充電で、最大約12日の待機時間を実現

    ペン差しが、専用の充電クレードルになっている。45分間の充電で、最大約12日の待機時間を実現

このほか、音楽プレイヤー、カメラ(動画 / 写真)のリモコンとしても操作できるのがユニークなところ。ディスプレイ横に搭載のタッチボタンで、聴いている曲の再生 / 曲送り / 停止、音量操作などがストレスなく行える。なお、スマホからインフォを探す(およびインフォからスマホを探す)ことも可能。

  • ディスプレイ横のタッチボタンで音楽プレイヤーも操作できる

    ディスプレイ横のタッチボタンで音楽プレイヤーも操作できる

肝心のボールペン部分についても、簡単に紹介しておこう。黒と赤、使いたい側に傾けてノックすることで芯を選べる振り子方式を採用。三菱鉛筆、ぺんてる、トンボ鉛筆などの市販の替え芯にも対応している。気になる書き心地は、いわゆる一般的なボールペンと変わらない。

  • 左利きモードも搭載。ディスプレイの向きが、左利き用になる

    左利きモードも搭載。ディスプレイの向きが、左利き用になる

価格は12,000円+税。販売チャネルはヨドバシカメラやビックカメラなどの家電量販店、Amazonや楽天などのオンラインショップを予定するほか、担当者は「文房具店でも販売していきたい」と話していた。

なんともニッチでユニークな製品。実用的かどうかの判断は、人の価値観に委ねたい。少なくとも取引先との商談の際など、話のネタになることは間違いないだろう。個人的に抱いた感想は「スマートウォッチの代わりに使えそう」だった。スマートウォッチを使っていると、毎日の充電が煩わしく思う。また、ほかの腕時計を着けたい気分のときもある。そんなとき、スマートウォッチの息抜きとして使えたら――。そんな感想を抱いた。