ものまねタレントの栗田貫一が、フジテレビ系バラエティ特番『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』(17日19:00~21:55)に出演するにあたって、同局のものまね番組の歴史を振り返った。
“ものまね四天王”の1人である栗田は、カール北川とともに登場。栗田が細川たかし、カールがフレディ・マーキュリーにふんして、映画『ボヘミアン・ラプソディ』をテーマに「We Will Rock You」を披露する。
このネタについて、栗田は「僕の方が、英語ではなくて、“イッキュッパ!”っぽいセリフを考えて作りました。最初にアイデアが生まれてから、ものまねの練習に移ります。ただ、QUEENのものまねをやって、フレディ・マーキュリーと細川さんがデュエットしていても面白くないので、歌詞を日本語にしちゃいました(笑)」を見どころを語る。
これまで、35年にわたってフジのものまね番組に出演してきた栗田だが、「いろいろやりましたねぇ。やはり、そのまま「似ている」というだけでは僕の中で面白くなくて。僕の大好きな歌手の方々が、こんな風にショーをやったら面白いだろうなあ、というのがアイデアの原点なのかもしれないですね」と回想。
90年代の“ものまね四天王ブーム”時代のエピソードを聞くと、「俺の中で一番失敗したのがね、当時大ヒットしていたシャ乱Qの『ズルい女』のつんく(現:つんく♂)のものまねした時に、顔も歌も似ててギャー!って絶賛されたのね。(司会の)榊原郁恵さんとかにも『似てるー!』って言われたりして。それで、『Bye-Bye ありがとうさよおなら~プ、愛しい恋人よ~プ・プ、あんたちょっといいおならだったね』って歌ったの。そしたら『扮装から顔からそっくりなのに、なんでそんなことするのよ』みたいに周りから言われて。『あ、やべ、やっちゃったかな』と思って。想定外。せっかく『笑わせよう!』と意気込んでいたのに、『プ!』の瞬間にお客さんがシーンって引いちゃって…(笑)。でも昔からそういうことばっかり考えて、勝負していましたね。大ウケすれば大ホームランですし、外せば三振で一打席終わるわけですから」と明かした。
当時を振り返り、「フジテレビにいた木村(忠寛)さんというプロデューサーがね、とにかくなんでもやらせてくれた。芸に妥協のない素晴らしい方でしたけど、『ものまねは楽しけりゃいいんだ』って。もちろん、今でも根っこは変わってないと思うんですよ。単純に、『この人がこうだったら面白いな』と発想したことをものまねしているわけなので、それをやらせてくれてきた老舗であり、やはりフジテレビはバラエティのトップだったと思うんですよね。僕はこの番組に育ててもらったし、本当に、視聴率が取れるとか取れないとか、関係ないんですよ、僕たちものまね芸人は。とにかくいいネタを作って、お客さんや視聴者の皆さんに見ていただきたいだけなんで。僕はそれでいいと思うんです。そこだけは、ものまね芸人一同、想いを同じにして、ストレートに面白さを伝えられたらなあ、と思うんですよね」という栗田。
ものまね芸人を続ける秘けつについて「たとえば、『(栗田は)歌が上手いんだからレコード出そうよ』って言っていただいたことも何回もあるのですが、僕が嫌なんですよ。“ものまね”でここまで育って、有名にさせていただいた自分が、レコードを出した日から“ものまね”を捨てなきゃいけないんじゃないか、という気持ちがあって。“ものまね”だけで十分幸せです」と話している。
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