国土交通省は12日、熊本地震で被災し、現在も不通となっているJR豊肥本線肥後大津~阿蘇間について、2020年度内に運転再開の見通しとなったことを発表した。

  • 豊肥本線の普通列車(写真は2015年撮影)

熊本地震では最大震度7を観測する地震が2回(2016年4月14・16日)発生。その後も震度6弱以上の地震をはじめ、累計4,000回を超える余震が発生したという。

鉄道も熊本県内を中心に被害を受け、現在もJR豊肥本線肥後大津~阿蘇間、南阿蘇鉄道の立野~中松間が不通となっている。JR豊肥本線では大規模な斜面崩壊や土砂流入、落石、地盤変状などが発生。現在は被災した土木設備51カ所のうち、約8割にあたる41カ所で復旧工事に着手(うち23カ所は工事完了)し、土木設備の復旧工事が完了したところから順次、軌道の復旧工事に着手すると説明している。

4月10日には、国土交通省と熊本県、鉄道事業者であるJR九州の関係機関で構成される「JR豊肥本線復旧連絡協議会」の第1回協議会が行われ、道路・砂防等の関連工事との円滑な連携・調整ならびに必要な支援・協力等について協議された。関係機関で工事工程を精査した結果、国が実施中の阿蘇大橋地区の斜面崩壊部の対策を2019年度末に概成させ、当該箇所を豊肥本線復旧工事用ヤードとして活用するといった連携を行うことにより、JR豊肥本線は2020年度内に復旧工事完了・運転再開の見通しとなった。

  • 熊本地震の復旧状況(2019年4月12日現在。出典 : 国土交通省記者発表資料)

今後も引き続き、JR豊肥本線の早期復旧に向け、関係機関と連携・調整を図る。今回の発表を受け、JR九州も「一日でも早い運転再開に向けて、引き続き関係者と綿密な連携・調整を図り、着実に復旧工事を進めて参ります」とコメントを発表している。