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【この記事のエキスパート】
IT・テックライター:石井 英男
東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。
ライター歴25年。PC/ITに関するテクノロジーの解説や製品レビューを得意とする。
最近は、STEM教育や3DプリンターやCNCを初めとするデジタルファブリケーションに興味を持ち、積極的に取材や記事執筆を行っている。
また、子どもへのプログラミング教育にも関心があり、CoderDojo守谷のメンターを務めている。
月や満天の星空を間近に見させてくれる天体望遠鏡。天体望遠鏡を使えば、月のクレーターはもちろん、もっと遠くの星でも効率的に光を集めて観測することができます。ここでは、反射式・屈折式・反射屈折式、高倍率・自動追尾機能付きなど天体望遠鏡のおすすめと選び方をご紹介します。
天体望遠鏡とは?
天体望遠鏡とは、天体観測をするための望遠鏡です。天体望遠鏡を使えば、月のクレーターはもちろん、効率的に光を集めてもっと遠くの惑星を見ることができます。また、天体望遠鏡には、月面やその他惑星の観測、それらの撮影など用途に合わせた機種が複数存在します。
天体望遠鏡の選び方のポイント
月や満天の星空を間近に見させてくれる「天体望遠鏡」。天体望遠鏡を選ぶときは、鏡筒の方式、架台の種類、重量など、注目しておきたいポイントがいくつかあります。選び方のポイントは次の6つです。
【1】鏡筒の方式で選ぶ
【2】架台の種類で選ぶ
【3】倍率で選ぶ
【4】機能で選ぶ
【5】「カメラアダプター」が便利
【6】持ち運ぶなら軽量で組み立てやすいものを
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】鏡筒の方式で選ぶ
天体望遠鏡は、鏡筒と呼ばれる筒状の望遠鏡本体と架台と呼ばれる三脚部分から構成されています。鏡筒は次の3種類に大別できます。
屈折式天体望遠鏡
屈折式天体望遠鏡は、対物レンズと接眼レンズを利用するもので、扱いやすく初心者向きです。メンテナンスも不要ですが、大口径の屈折式は高価です。
反射式天体望遠鏡
反射式天体望遠鏡は、対物レンズの代わりに凹面鏡を使うもので、同口径の屈折式と比べて安くて軽いことが利点です。その代わり、光軸がズレやすく、使用前に外気になじませる必要がありますので、慣れた人向きです。
反射屈折式天体望遠鏡(別名:カタディオプトリック式)
反射屈折式天体望遠鏡は、別名カタディオプトリック式とも呼ばれ、その名の通り反射式と屈折式を合わせたような仕組みになっています。口径の割にコンパクトなことが利点です。
【2】架台の種類で選ぶ
架台は、経緯台式と赤道儀式の2種類に大別できます。最近では、見たい天体を選ぶだけで、自動的に天体の位置に望遠鏡を向けてくれる「自動導入機能付き望遠鏡」も人気です。
経緯台式
経緯台式は、上下方向と左右方向に鏡筒を動かせるので直感的に使え、価格も安いことが利点ですが、長時間星を追尾するには向いていません。
赤道儀式
赤道儀式は、地球の自転軸に対して平行な軸と垂直な軸が回転する仕組みで、つまみをひとつ動かすだけで、天体の動きにあわせて望遠鏡を追尾させることができます。そのため、長時間観察や写真撮影などに向いています。その反面、赤道儀は極軸をあわせる作業が必要で、値段も張ります。
また、モータードライブ付きの赤道儀なら、天体の自動追尾が可能です。
【3】倍率で選ぶ
天体望遠鏡の明るさは口径の大きさで決まります。口径60mmなら土星の輪がはっきりとわかり、口径80mmなら木星の大赤斑や縞模様を見ることができます。ここでは、天体に合わせて選ぶ倍率の目安についてご紹介します。
月を観るなら50~150倍
天気の良い日であれば、肉眼でも観察できる月ですが、天体望遠鏡で観ると、迫力ある姿をくっきり観察することができます。50倍の倍率で月の全体を、70倍でクレーターを、150倍以上にもなると小さな起状まで観察できます。
土星や金星などの惑星なら150倍以上
月以外の惑星を観るには150倍以上のものがよいでしょう。とくに、木星や土星といった遠い惑星の場合は、200倍以上のものがおすすめです。
星雲・星団を観るなら50倍以下
星雲や星団を観察するなら、50倍以下の低倍率がおすすめです。アンドロメダ銀河などは20倍~30倍もあれば観測できます。
【4】機能で選ぶ
続いて、天体の位置を自動で視野に導入したり、天体の動きを自動で追尾してくれる便利な機能についてご紹介していきます。
また、星を探すときに使うファインダーですが、初心者は調整不要の「のぞき穴ファインダー」を選びましょう。一方、取り付けた後に天体望遠鏡の調整が必要ですが、肉眼では見にくい星も見つけやすい「光学ファインダー」は、中級者以上だと扱うことが容易でしょう。こちらもチェックしてみてくださいね。
自動導入機能
自動導入機能は、初期設定を行うことで、目当ての天体を自動で視野に導入してくれる大変便利な機能です。この機能を使うことで、肉眼では見えない等級の天体でも正確な位置を特定することができます。
自動追尾機能
自動追尾機能は、天体の動きに合わせてモーターが作動し、鏡筒を動かしてくれます。とくに天体撮影においては、必須の機能です。自動追尾機能を使わずに撮影した場合、天体が線状に写ってしまうことになります。
【5】スマホ連動!「カメラアダプター」が便利
最近では、一眼レフやミラーレス一眼だけでなく、スマートフォンで手軽に天体を撮影することができます。ただし、普通に撮ると当然手ブレを起こしてしまいます。そんな時に役立つのが「カメラアダプター」です。
【6】持ち運ぶなら軽量で組み立てやすいものを
屋外で天体観測を行う場合は、持ち運ぶ望遠鏡の重量もしっかり確認しておきましょう。
架台の種類によって重さが異なり、経緯台は軽量で気軽に持ち運びができます。一方、赤道儀は経緯台と比べると重量があるので、屋内での使用が望ましいでしょう。
屋外へ持ち運ぶ目的での望遠鏡選びは、本体の重さだけでなく、三脚やその他付属品などすべての重量も加味するといいです。また、ネジなどが少なく、組み立てやすいものが理想です。
エキスパートからのアドバイス
高倍率をうたう製品には注意
【エキスパートのコメント】
最初に説明したように、天体望遠鏡には適正倍率があります。適正倍率より高い倍率にしても、見にくくなるだけです。
製品のなかには200倍や300倍などの高倍率で安価な製品もありますが、紹介した製品と劣るものもあるため購入の際はよく検討しましょう。
大口径の天体望遠鏡は、暗い天体を見るのに適していますが、大きく重くなるので、出して観測するのが億劫になりがちです。最初は気軽に持ち出せる軽い製品を選ぶことをおすすめします。