社会人の皆さんの多くは、歳を重ねるごとに「ストレス」が増してくる人も多いのではないでしょうか? そんな社会の中では、ストレス解消法の情報で溢れていますが、「泣く」という選択肢を選ぶ人もいます。そこで今回は“感動して泣くこと”を広める「涙活」を行っている感涙療法士の吉田英史氏が経営するカフェでの「涙活」をご紹介してもらいました。
泣けるカフェとは?
今回は、私が経営している東京・西早稲田にある『涙と旅カフェ あかね』についてご紹介します。お店では、泣きたい人、泣けなくて困っている人、ストレスを溜めている人、人生に疲れている人などに向けて、映像、唄、絵本の読み聞かせや、物語の朗読等を使って、泣かせるということをやっています。
縁あってこのお店を“喫茶店兼事務所”として経営しています。私が普段行っている御徒町にあるセロトニン道場(住所:東京都台東区上野4-2-1 江戸っ子ビル6階)での涙活イベントに参加できない方にも、涙活を体験してほしいとの思いから、同店をスタートさせました。今回は、涙活カフェのひとコマをリポートします。
まずはじめに、「涙活」とは何かをお話します。涙活とは、2~3分だけでも“意識的”に泣くことによって、ストレスを解消する活動です。泣くことが医学的に、ストレス解消になることがわかってきたのです。
涙を流すと、人間の自律神経が緊張や興奮を促す交感神経が優位な状態から、脳がリラックスした状態である副交感神経が優位な状態にスイッチが切り替わる。これが一言でいうと、ストレス解消の仕組みになります。
私は普段は「感涙療法士」として涙活イベントを実施して、参加者の心の健康をサポートすることを業としています。涙活カフェでも“泣ける空間”を作って、お客さんに実際に泣いてもらいます。
感涙でストレス解消 - 泣きのツボはどこ?
「涙活」についてお話した後は、約3分の泣ける感動映像を何本か観てもらいます。人は泣く瞬間に、自身の人生経験を重ね、その結果、「共感脳」とも呼ばれる「前頭前野」を震わせて涙を流します。そのためジャンルは、家族モノ、動物モノ、恋愛モノ、友情モノ、アスリートモノなど、複数のジャンルの映像を流します。これは「泣きのツボ」のスイッチが人それぞれ違うためです。
泣かせる手法としては、映像だけではなく絵本の読み聞かせ、手紙の朗読等、あらゆる手段を使っています。
次に自身の「泣きのツボ」を探るワークショップに移ります。より泣きやすくなる感動体質に変わっていくと、ストレスが解消しやすくなります。カフェでは、通称「涙作文」を作ってもらいます。
泣ける話を作るには、人は自分の泣き体験を参照して書きます。書きながら自分の泣きのツボを物語にしてもらいます。書き終えたら読み上げてもらいます。読んでいる最中に泣き出すのは、その瞬間、まさに自分の泣きのツボに共感脳が反応したからです。
これまでは無意識レベルで泣いてスッキリしてもらいましたが、次に「泣き言セラピー」というワークショップを通じて、意識してスッキリしてもらいます。
涙の形をした紙に、自身の「泣き言」を書き出してもらいます。泣き言とは、弱音、愚痴など、胸にモヤモヤとつかえているストレスです。それを言語化することで、ストレスを明らかにしようという試みです。
最後はスクールカウンセラーの経験を活かして、私からの心理療法も交えたアドバイスをします。そのアドバイスを行うために必要なのが「泣きのツボ」です。例えば、動物の話で涙が出た方の泣きのツボは「動物」なので、自宅で涙活を行うなら動物物の話をオススメします。泣きのツボがわかれば、“泣き習慣”をつけるための題材を探しやすくなり、ストレス解消法に積極的に泣く選択肢が選ぶことができます。
今日から皆さんも「今日の涙で明日は笑顔」を合い言葉に、積極的に涙活しましょう!