ジャーナリストの池上彰氏が、最近大きな話題になっているニュースの数々、そして今さら「知らない」とは恥ずかしくて言えないニュースの数々を分かりやすく解説するテレビ朝日系番組『池上彰のニュースそうだったのか!!』。2日(18:56~)の放送では、生放送で2月27日、28日と2日間にわたってベトナムで行われた米朝首脳会談について解説した。

  • 池上彰 -テレビ朝日提供

同局の丹羽敦子プロデューサーは「事前の予測とは違って、物別れに終わった今回の首脳会談。たくさんの謎があっただけに、池上さんの解説ですっきりした方も多かったのではないでしょうか」と振り返る。

さらに「実は生放送した2日はもともと収録日だったんです。生放送するつもりはなかったんですが、米朝首脳会談の日程が決まったその当日に、『3月2日さぁ、せっかくだから生放送にしようよ!』と池上さんが明るくおっしゃいまして。お願いしていたゲストの方たちにも『すいません、生放送でもいいですか? しかもちょっと難しめの話なんですけど…』と(笑)」と生放送になった裏側を明かした。

丹羽Pは「我々も完全に想定外で、『収録でしっかり編集して放送すればいいかな』って思っていたんですけど、池上さんの『こういうネタは腐っちゃうから早くやらないと!』との熱い一声で決まりました」と述べ、「結果的に生放送にしてよかったと思いますね。特に今回は首脳会談が決裂していますから、間をおくとやりにくかったと思います」と振り返った。

今回の放送前の打ち合わせでも池上氏のこだわりがさく裂していたという。「北朝鮮の金正恩委員長とアメリカのトランプ大統領の写真を並べてお互いの主張を並べるマルチ(スタジオの大画面に映す説明用の写真・文字)があったんですけど、当初ディレクターは左にトランプ大統領、右側を金正恩委員長にしていたんです。ベトナムでの会談で、その並びで立っていることが多かったですから、写真が加工しやすかったんだと思います。でも池上さんは『日本人は日本が真ん中にある世界地図を見て育っているから、北朝鮮は左側、アメリカは右側、というイメージがある。だから、ここは反対にしないとダメ!』と。生放送なので急いで直しました」(丹羽P)。

そして「さらにアメリカの空母の写真も、私には分からないレベルで間違っていたようで(笑)。こちらも言われるがままに直しました」とも明かした。

また池上氏は今回、実は「インドvsパキスタン」のニュースに一番のこだわりを見せていたとのこと。丹羽Pは「米中首脳会談のニュースの陰に隠れてあまり大きな扱いにはなっていなかったんですが、こちらも本当に緊迫していて。池上さんから放送2日前にきた『カシミールやりましょう!』というメールによって、解説ネタとして決定いたしました」と話した。

「カシミールの話に10分近く割く番組はあまりないと思いますが、ここは池上さんの思いを尊重いたしまして、たっぷり解説いただきました。話を聞くまでは全然わからなくても、聞いてみると発見が多い、そんなニュースでした」と丹羽P。「ぜひ今後も続報をお伝えしたいと思います!」と語った。