2次募集締め切りまでにできること

では、具体的にはこれからどのような行動を取ればいいのでしょうか。

山下さんは、保活を「選択肢」「時間」「指数」の3要素に分解して考えます。

「選択肢」については、バスや電動自転車での通園も視野に入れるなど、1園でも多く申し込む園を増やすこと。「時間」は早く始めること、夫や友人の協力を仰ぐなどして馬力を増やすこと。「指数」は申請後に増やすのは難しいものの、自分の指数を効率的に活かすこと、です。

  • 「陳述書を書けば保育園に入れる」は本当? - 第2保活でやるべきこととは

    保活の3要素は「選択肢」「時間」「指数」

また、「2次でも可能な限り見学には行ってください」と山下さんは話します。「たとえ通える範囲であっても、見学してみて『ちょっとここは……』と思うような園は選択肢に入れないようにしてください」

また、保育園以外の選択肢として紹介されたのが、東京都のベビーシッター利用支援事業。0~2歳児の待機児童の保護者、または育休を1年間取った人を対象に、ベビーシッター利用費の一部を都が負担してくれるというものです(要件は自治体によって異なる)。

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    今からとるべきアクション(認可保育園)

実施は新宿区・台東区・目黒区・中野区・府中市のみ(セミナー開催時点)ですが、4月に向けて導入する自治体が増える見込みとなっています。また、品川区など独自で助成を行っている自治体もあるので、利用ができるかどうか、自治体に問い合わせてみましょう。人によっては、この制度と時短勤務を活用して、段階的に復職することも可能になってきます。

認可外へのアクションも大切

次に、認可外保育園へのアクションについてです。「すでに認可外保育園に申し込みをしている場合は、認可園不承諾が分かったらすぐに電話をして、入園の意思を伝えてください。これが園側の状況によっては有利に働く可能性があります」とのこと。

実際、保活激戦区の認可外保育園には、数百件の申し込みが入ります。この時期になると、その申込者一人ひとりに電話をかけて入園の意思を確認しなければいけませんが、限られた人員で、忙しい保育の合間を縫って数百人に電話をかけることは並大抵ではありません。

「そんな中で、自ら電話をかけて『入園の意思があります』と伝える行動が、少しでも有利に働くかもしれないという可能性は、ゼロではないと私は考えています」と山下さんは話します。

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    認可外保育園の実情も踏まえてアドバイス

また、認可外保育園の場合は、当該区内在住・就労といった条件はありません。送迎体制が整っている園もあるので、通える範囲であれば区外まで範囲を広げてアプローチしてみましょう。

認可外保育園の見学において重視するべきポイントは、「人」だと山下さんは言います。「認可外の場合、どうしても認可園に比べて保育スペースが狭かったり、保育士の数が少なかったりといった点が目立ってしまうのですが、子どもにとっては、どういう人が関わるかが最も大切なポイントなんです。たとえば、見学の時に向こうから積極的にあいさつをしてくれるかとか、子どもとどういう風に接しているかを見るといいと思います」

保活都市伝説のウソ・ホント

最後に、「保活都市伝説」について。インターネットやSNSに保活に関する情報があふれる今、「これをやれば認可に入れるらしい」といった裏技や都市伝説的な話をたくさん目にします。でも一体どこまで信じてやればいいのか……と、正直戸惑う人の方が多いのではないでしょうか。

まず、「申し込み時点で陳述書や『いかに保育園に入りたいか』をつづった手紙を添えると有利になる」「申込書の裏面にひとこと添えるといい」といった話について。

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    真剣に話を聞く参加者

「数十年前ならあったかもしれませんが、今はいかに公平にクリアに選考を行うかに行政は心血を注いでいます。もしアンフェアなことをしてそれが明るみに出れば、それこそ大変なことになると分かっていますから。そんなことする暇があったら、1件でも多く見学に行ってください」と山下さんは断言。

どの情報を信じればいいのかについては、「これをすれば有利に働く、ということがあるとすれば、それはすべて行政側がホームページなどで公表していること、またはこちらが聞けば『はい、そうです』とはっきり回答してくれることに限ります。たとえば、兄弟加点や在住歴などですね。それ以外は信じないでください」とアドバイスします。

また、「役所へ行って泣きながら自分の状況を伝えると入れてもらえるらしい」という話に関しても、有利に働くことはないのだそう。「自分の落ちた理由や順番を聞きに行くのは、今後の動きを考えるためにもちろん必要なことです。しかし、窓口で泣いて訴えたからと言って、その担当の人がどうにかしてくれるということはありません」と話します。

「園のお祭りなどに参加して園長先生に気に入ってもらうといいらしい」という話も、「そもそも認可保育園の園長先生は選考には関われません」ときっぱりと否定しました。

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    よく耳にする保活都市伝説、根拠が不確かなものも多いのだそう

これらを踏まえて最後に、「こういった情報に惑わされず、とにかく足を止めずに最後まで続けてほしいと思います」とメッセージを送りました。

セミナー後は併設のカフェでランチタイム。山下さんも交え、それぞれの状況や地域ごとの保活状況など、参加者のママたちで意見交換をし合っていました。

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    ランチを食べながら懇親会。まずは話すことでスッキリすることも