第11回貝印スイーツ甲子園で優勝した熊本県の慶誠高等学校とローソンが共同開発したオリジナルスイーツ「スイーツ甲子園 晩柑ロールケーキ」が2月19日に発売される。貝印スイーツ甲子園の優勝チームとローソンのオリジナルスイーツの共同開発は昨年に続き2度目で、今回は地元熊本県の名産「晩柑(ばんかん)」を使ったオリジナルのスイーツだそうだ。

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    第11回貝印スイーツ甲子園で優勝した熊本県の慶誠高等学校「educate」チーム(左から西山萌花さん、寺本希来さん、木部青空さん)

貝印スイーツ甲子園とは、同一高校の高校生が3人1チームとなり、スイーツづくりのアイディアと腕前を競うコンテスト。参加者は延べ2万人を数え、2018年度は全国266チームの中から書類選考により計24チームを選出し、東西予選大会を勝ち抜いた計4チームが決勝戦に出場。コンテストのテーマに沿ったオリジナルケーキをそれぞれ制作し、今大会では慶誠高等学校の「educate」チームが頂点に輝いた。今回、優勝したチームのメンバーにオリジナルスイーツの共同開発について話を聞いた。


慶誠高等学校の「educate」チームは全員3年生のメンバーで、熊本市出身の西山萌花(にしやまもえか)さん、天草市出身の寺本希来(てらもときら)さん、阿蘇市出身の木部青空(きべあおぞら)さんの3人。慶誠高等学校は熊本県内で唯一、製菓技術を専門で学べるパティシエコースがあり、3人ともこのコースで学んでいる。

  • 3人ともに誠高等学校のパティシエコースで製菓技術を学んでいるメンバーだ

大会出場チームのメンバー選出は、多くの希望者の中から選ばれた。中学の頃からテレビで見て憧れていたという貝印スイーツ甲子園については「メンバーに選ばれ、大会に出られるだけでも嬉しかった。選ばれたなら頑張らなきゃと思ったし、大会に出るなら優勝しようという思いがあった」という。

優勝した作品「Harmonie(アルモニー)」は、フランス語で調和という意味。このケーキには熊本を表現するというメンバーの思いが込められている。ケーキにはフルーツを使いたいということで、メンバーの寺本さんの出身地、天草の名物でもある晩柑を使うことになった。

「熊本県産の物は絶対使いたかった」と3人は語る。味の組み合わせ、材料の分量を1g単位で調整し、作品名にもあるように「調和」が取れるように試行錯誤したという。また熊本の夏の風物詩を表現するために「暑さが吹き飛んでくれるようなイメージ」と、名物の金魚と風鈴と朝顔で飾り付けを行った。

見事、この作品で優勝を飾った「educate」チーム。貝印スイーツ甲子園の優勝については「チームの3人で優勝できてとても嬉しかった。半年間、がんばってきた成果が出せて良かったと思う」という。

共同開発のロールケーキにも優勝した作品と同様に、熊本県産の晩柑のジュレと果汁が使用されている。「優勝作品で使った熊本の晩柑を使って、柑橘系のさわやかなケーキを作りたかった」という。出来上がった試作品は、晩柑に合うさわやなかサワークリームを使用し、晩柑に負けない生地にするためにはちみつを多めにしたという。「とても食べやすく、考えた通りの味に近いケーキになりました」といい、試食も「ケーキに晩柑が感じられてよかった」と感想を述べた。パッケージは「ふわふわした可愛い感じ」と、晩柑をイメージしたデザインになっている。

  • 共同開発した「スイーツ甲子園 晩柑ロールケーキ」

「自分たちの考えたロールケーキが、ローソンで全国販売されるということで自信につながりました。とても食べやすいケーキなので、いろいろな世代の人に食べてもらいたい」と今回の共同開発のオリジナルスイーツへの思いを語ってくれた。また、今回の経験が「自分たちの夢につながったと思います」と語る。メンバーはそれぞれ専門学校への進学や地元のケーキ屋に就職するそうだ。

  • 顧問の築島詩織(つくしましおり)先生とメンバー