西武鉄道は14日、新型特急車両001系「Laview(ラビュー)」の報道関係者向け内覧会・試乗会を実施した。小手指車両基地にて内覧会が行われ、車両外観・車内設備などが公開された後、試乗会として池袋駅まで走行した。
新型特急車両001系は世界で活躍する建築家、妹島和世氏の監修の下で車両開発が行われた。「いままでに見たことのない車両」「次の100年に向けた出発点である車両」を表現するため、「100」を逆から表した「001」を車両形式に採用。「00」に「∞(無限)」の可能性という意味も込めた。愛称は贅沢(Luxury)なリビング(Living)のような空間を表す「L」、矢(arrow)のような速達性を表す「a」、大きな窓から移りゆく眺望を表す「view」を組み合わせ、「Laview(ラビュー)」とした。
車体前面に国内初という曲線半径1,500mmの大きな三次元の曲面ガラスを用い、緩いカーブのあるやわらかな印象の外観デザインに。客室窓は等間隔で連続する配置とし、縦1,350mm・横1,580mmの大型窓ガラスにより、沿線の風景を大パノラマで楽しめるという。都市や自然の中で風景に溶け込むデザインを実現するため、アルミ素材の車体に塗装を施し、写り込み具合も工夫して特色ある素材感を追求した。
客室内は大型窓のある白い壁の明るい空間とし、黄色配色を基調とした座席シートが並ぶ。体をやわらかく包み込むソファのようなデザインで、手動式可動枕は背丈サイズに合わせて調節可能。座席背面の大型テーブルに加え、肘掛にインアームテーブルを設けた。スマートフォンやノートパソコンの充電に使用できる電源コンセント(AC100V)を各座席に設置し、「SEIBU FREE Wi-Fi」も全車両で利用可能。1号車に車いす対応席を2席設置したほか、ハンドル形電動車いすにも対応している。
車内LCD画面表示器の行先案内・停車駅案内は4カ国語(日・英・韓・中)表示に対応。客室内はシンプルな曲面天井からの間接照明により、やわらかな光あふれる照明デザインとなっている。エントランスは座席シートと同様の黄色配色を基調とし、床には人造大理石を敷き詰めた。一部の壁を曲面デザインとすることで、壁面に寄りかかる余裕もある空間としている。1号車にオストメイト対応型の多目的トイレを設け、5号車には洋式トイレをはじめ、拡大鏡や姿見などのあるパウダールームを設置した。
小手指車両基地で行われた内覧会では、車体前面に「特急 ちちぶ」と表示した「ラビュー」が「レッドアロークラシック」と並び、「ラビュー」の前照灯を通常モードから「スマイルモード」に変更した姿も披露された。内覧会に続いて試乗会となり、「ラビュー」は13時25分頃、小手指車両基地を発車。池袋線を快走し、14時8分頃、池袋駅7番ホームに到着した。「ラビュー」は3月16日のデビュー後、特急「ちちぶ」「むさし」の一部列車に使用され、池袋~所沢間を最速19分で走行する列車も設定されている。
デビューに先立ち、3月2・3日には事前申込制の「新型特急車両『Laview』(ラビュー)お披露目イベント」が西武球場前駅にて開催される。駅構内で内覧会・撮影会を実施するほか、駅前広場にて記念乗車券やデビュー記念グッズの販売が行われるという。