オリックスグループ7社(オリックス不動産事業本部、オリックス不動産、オリックス不動産投資顧問、オリックス・アセットマネジメント、オリックス債権回収、オリックス・クレジット、オリックス・ローン事務センター)は2月12日から、日本生命浜松町クレアタワー(東京都港区)にある新オフィスでの業務を順次開始した。

「コミュニケーション」「集中」「リラックス」のコンセプトで設計された、新オフィスの執務スペースと休憩スペースを見学してきたので紹介したい。

  • 新オフィスの執務スペース

職場改革推進プロジェクト

オリックス グループ人事・総務本部 副本部長 直井厚郎(なおい・あつろう)氏は今回のオフィス移転について、「オリックスグループが進めている『職場改革推進プロジェクト』の進捗の一つ」と話す。

同グループは2016年度より「オリックスグループ職場推進プロジェクト」を立ち上げ、所定労働時間20分短縮、男性の育児取得を促進する育児特別休暇制度、資格取得や語学学習の費用を補助する自分磨き制度などソフト面の改革を進めている。同時に多様な場所で働けるインフラ整備として、ノートPCの全社導入、社用スマートフォン支給、Skype導入などハード面の改革も行っている。

一連のプロジェクトの一つとして、「多様な働き方を後押しできるオフィス環境」を位置づけているそうだ。

開放的な執務スペース

日々の業務を行う執務スペースで目につくのは、窓側の共有スペース。コンセプトである「コミュニケーション」を具現化した、明るく開放的な場所での雑談やちょっとしたミーティングを気軽に行うことができる。また従来の移動式のホワイトボードをやめ、壁にホワイトボードシートを大きく貼るなど、コミュニケーションツールも新しく用意したそうだ。

  • 窓際に設けられた共有スペース

  • ホワイトボードシートは壁に大きく貼られている

また座席はフリーアドレス制が導入され、デスクがジグザグ導線で配置されているのも特徴。「組織の壁」を越えて、今まで関わることが少なかったメンバーとコミュニケーションをとることが可能となる。

  • ジグザグに配置されたデスク

なお、荷物は個人ロッカーに保管でき、内部にはモバイル用の充電器や社内郵便物を投函できるポケットも備えている。

  • 充電器と書類を投函できるポケットが用意

「集中」して作業をする社員のために、半個室ブースが設置されている。

  • 半個室ブース

野球観戦も可能な休憩スペース

「リラックス」するための休憩スペースには、足元の床などにモバイル充電用の電源コンセントを用意。また、窓際には仮眠可能なスペースもある。

  • 休憩スペース

  • 仮眠もできるお昼寝スペース

別の休憩スペースでは、カフェコーナーや野球観戦も可能な大型スクリーンも備えられた。プロ野球球団をもつ、オリックスグループならではの利用方法だといえる。

  • 広めの休憩スペース

  • 大型スクリーンで野球観戦もできる

  • カフェコーナーも隣接

「従来のマネジメントは事後管理でした。部下が夕方戻ると、上司が進捗を確認して助言や指示を『顔を見ながら』出す形です。しかし、『部下の顔が見えない』多様な働き方に対しては事前管理が必要です。業務のゴールをより明確にし、進捗に応じた対応方法も先に伝えておくなど、マネジメントの質を変える必要があります。そのため、人事部門では研修プログラムを新たに作成しています。オフィス環境の変化、社員の意識変化、そして変化の定着する時間が必要でしょう」(直井氏)。