高松琴平電気鉄道(ことでん)はこのほど、同社に在籍する元京急電鉄1000形(初代)2両1編成に京急時代の塗色をラッピングし、3月6日から運行開始すると発表した。鉄道ファン有志がクラウドファンディングで資金を募り、実現にこぎつけた。
京急電鉄の初代1000形は1959年に運行開始し、長年にわたり“京急の顔”として親しまれた車両。2002年から始まった新1000形の導入にともない、その役目を終え、2010年に営業運転を終了した。その後、形式も消滅している。一方、ことでんでは、京急電鉄から譲渡された初代1000形が1080形と名を変え、いまも現役で運用に就いている。
そこで、鉄道ファン有志が「もう一度京急初代1000形を見たい」と、京急時代のオリジナルカラーをことでん1080形へのラッピングで復元することを発案。ことでんから広告主の権利を買い取る形でなら実現が可能であるとわかり、ラッピングの施工費用を含む1,500万円をクラウドファンディングで募集した。
その結果、昨年の9月下旬から12月下旬までの約3カ月間で1,600万円余りの募金が寄せられ、資金調達に成功。ことでんの協力を得て、この春から2021年春まで約2年間、「初代1000形ラッピング列車」を走らせることが可能になった。ラッピング車両の名前は「還暦の赤い電車 ~REVIVAL KHK COLOR~」とした。
運行初日の3月6日は、仏生山駅3番ホームにて13時30分から出発式を開催。ラッピング車両の概要紹介や車内内覧、ヘッドマークの装着、フォトセッションなどを行い、14時4分に臨時列車として同駅を発車する。臨時列車は高松築港駅までの区間を1往復し、14時39分に仏生山駅に戻る予定となっている。