先日経営会議で、社長が突然「今度A社とB社とアライアンスを結ぼうと思うんだが」と切り出した。それって、合併するってこと? というわけで、今回は「アライアンス」の意味やメリットについて解説します。

  • 「アライアンスを結ぶ」の意味を理解していますか?(写真:マイナビニュース)

    「アライアンスを結ぶ」の意味を理解していますか?

アライアンスの意味

アライアンスは、英語の【alliance】をカタカナ用語として使用しているもので、「同盟」「協力」「結婚」「類似性」「群団」といった意味があります。

ビジネスシーンでは、「同盟」「提携」「連合」のように、「複数の企業が互いの利益のために協力しあうこと」という意味で用いられるのが一般的です。

アライアンスとは

では、「複数の企業が互いの利益のために協力しあう」とは、具体的にどういうことなのでしょうか。

同じような製品を作っている会社はいくつもありますが、例えば、A社は「高い製造技術はあるものの、販売力に欠け思うように売り上げが伸びない」のに対し、B社は「製造技術は他社より劣るものの、販売力は群を抜いている」とします。

販売力を向上させるために、A社は優秀な人材の獲得や新規販売ルートの開拓に注力すればよいわけですが、それには膨大な時間とコストが生じる上に、容易ではありません。それよりも、優れた販売力を持っているB社の力を借りた方が効率がいいのはいうまでもありません。それはB社も同じです。

このように、互いの得手不得手をうまく活用し合って「弱点を補う」だけでなく、「コスト削減」「時間の節約」に加え、さらなる「相乗効果」を得るような提携が「アライアンス」なのです。

航空業界のアライアンス事例

もう一つ、アライアンス事業の例を挙げてみましょう。「アライアンス」という言葉は、提携を結んだグループ名に使用されることもあり、航空業界における「スターアライアンス」が有名です。日本の全日空も「スターアライアンス」の参加企業です。

航空業界におけるアライアンスでは、複数の航空会社同士でマイレージの共通化や共同運航、乗り継ぎ時の手続き簡略化など、利用客のメリットに特化したサービスを実現しています。また、提携グループの店舗利用でマイレージが貯まるシステムが、顧客満足度の高いアライアンス事業となっています。

このように、近年増えている航空業界におけるアライアンスを「航空連合【Airline alliances】」と呼び、「スターアライアンス」のほかにも、「ワンワールド」や日本航空が所属する「スカイチーム」といった航空連合が存在します。

アライアンスの特徴

合併・買収といった「M&A」の場合には、被買収企業は消滅し、買収企業が支配権を握るのが一般的です。これに対し、「アライアンス」では、経営方針や人事などの権利は各企業にあり、アライアンスを組んだ他社から支配されたり、指図されたりするようなことはありません。

また、利益に矛盾が生じた場合や、進むべき方向が合わなくなった場合には、比較的容易にアライアンスを解消することも可能です。

お互いの弱点を補い強化できるような提携を結びつつ、ある意味「緩さ」をもった関係といえるでしょう。

アライアンスの使い方と例文

ビジネスシーンでは、「アライアンスを組む」「アライアンスを結ぶ」という表現がよく用いられます。また、提携関係を結ぶ参加企業のことを、互いに「アライアンスパートナー」と表現します。

(例文)
・アライアンスを組んで、利益とCSの向上を図りましょう。
・業界全体を活性化させるために、アライアンスを結びましょう。
・市場で生き残るためにも、他社とのアライアンスを構築すべきです。
・A社が新たなアライアンスパートナーになるようです。


ちなみに、アライアンスに失敗することを「ミスアライアンス【misalliance】」といいます。

英語の意味は、「身分違いによる不釣り合いな結婚」だそうです。合併に比べて少々緩い関係とはいえ、さらなる企業の発展のため、素敵なパートナーを見つけたいものですね。パートナー選びはくれぐれも慎重に。