今回のテーマは「アセスメント」です。よく「○○アセスメント」という表現を目にしますが、どんな意味かご存知でしょうか。

  • アセスメントの意味を理解していますか?(写真:マイナビニュース)

    アセスメントの意味を理解していますか?

そこで本稿では、「アセスメント」の意味とともに、さまざまな「○○アセスメント」の役割について解説します。

アセスメントの意味

アセスメントは、「課税」「査定」「税額」といった意味の英語【assessment】から来ているカタカナ用語です。日本では主に、客観的に「評価する」「査定する」という意味で使われています。

○○アセスメント

アセスメントは、ある対象物を客観的に評価・査定することから、その対象物と組み合わせて「○○アセスメント」という形の用語が多く存在します。いくつかご紹介しましょう。

人材アセスメント

どんな組織でも、人物の適性を判断した上で、それぞれが活躍できる場に人材を配置したいものです。そのために、言動や態度といった客観的な基準に基づいて、前もって人材を評価することを「人材アセスメント」といいます。

例えば、体力のない人に力仕事は不向きですし、元気で外交的な人物であれば、事務職よりも営業職の方が適しているでしょう。そういった適性を採用段階などで事前に評価しておくことで、人材を適材適所に配置することに役立てます。

看護・介護のアセスメント

患者の情報には、体温や血圧・脈拍などのデータなどの「客観的情報」と、患者が感じている痛みや不安・不調などの「主観的情報」があります。このような患者の状態を分析・評価することを「看護アセスメント」といいます。

看護の現場では、これらの情報を基に患者の状態に合ったケアプランを作成します。介護の現場でも同様に、介護対象者やその家族と面談を行い、まずは本人の心身の状態や日常生活の状況といった情報を収集する必要があります。これが「介護アセスメント」です。

この結果が、どのようなサービスやケアを必要としているのか、ケアプラン作成時の判断材料となります。

環境アセスメント

「環境アセスメント」とは、ある事業が環境にどのような影響を与えるのかを予測し、その対策について事前に検討しておくことをいいます。

例えば、ゴルフ場やスキー場、大規模な土地開発などの事業において自然環境破壊は避けられないでしょう。また、自動車製造では排出ガスが環境問題に大きく関わってきます。それらが環境にどれほどのダメージを与えるのかを事前に分析・評価するのが環境アセスメントです。

リスクアセスメント

起こり得る事故や災害などのリスクを事前に洗い出し、評価することを「リスクアセスメント」といいます。例えば、建設現場では「崩落事故」「ガス爆発」「一酸化炭素中毒」「落下事故」といった危険性が考えられますが、そういった労働災害に対する低減措置や防止策を講じるのがリスクアセスメントです。


一人ひとりが十人十色であるように、クライアントの事情や症状も、どんな現場も全く同じものは存在しないのではないでしょうか。

情報収集を怠って取り返しのつかない事態を招くことのないよう、どんなクライアントなのか、どんな現場なのか、しっかりとアセスメントしておきましょう。