「モンスター社員」という言葉を聞いたことがありますか? 明確な定義はありませんが、些細な不満をクレームとして会社にアピールし、社会常識を逸脱した振る舞いで、周囲を巻きこみ問題を引き起こす社員のことをいうようです。
今回、マイナビニュース読者を対象にしたアンケートで「モンスター社員の実態」を聞いてみました。※調査期間:12月8日~25日、マイナビニュース会員の男女2,386人対象
4割のビジネスパーソンが「モンスター社員」を認識
「あなたの職場にモンスター社員は存在しますか?」と質問したところ、41.3%が「はい」と回答。意外と多いですね……。
ひと口に「モンスター社員」と言ってもその特徴はさまざま。
職場にモンスター社員がいると答えた人を対象に、「あなたの職場にいるモンスター社員は次のうち、どの分類に当てはまりますか」と質問したところ、「パワハラ型」(28.8%)と「自己主張押し付け型、自信過剰型」(27.5%)が多いことがわかりました。
「モンスター社員」の特徴ごとに、みなさんどのように対処しているのでしょうか。生の声を集めてみました。
パワハラ型への対処法
最も多く報告されたこのタイプは、相手の立場や気持ちを配慮せず、自分が思ったことだけを見境なくぶつける人が多く、攻撃的な印象を与えます。
「被害者全員で人事に直談判し異動してもらった」(20代女性)、「必要な時以外話しかけず、書面やメールで証拠を残す」(50代男性)、「懲戒規定を追加」(30代男性)など、被害者も多いので、対処方法が確立されつつあるようです。
親依存(家族介入)型への対処法
本人のみならず、親や配偶者などが介入して会社に圧力をかけてくるタイプです。本人だけでなく、介入してくる家族にも問題があることが多く厄介です。
「家族が会社に来ることが多く、面会禁止にした」(40代男性)、「問題社員の妻から定期的に封書が届くが何も返答しない。社員本人以外とは交渉しない方針」(50代男性)などが挙げられましたが、「関係会社・社長の息子なので対処できない」(50代男性)と厄介なコネ問題が絡むことも。
メンタル不安定型への対処法
自分の感情をコントロールできず、ちょっとしたことですぐにキレるタイプです。
「みんなでカバー」(50代女性)、「なるべく刺激せず、穏やかに話す」(20代女性)、「優しい言葉をかける。怒らない」(40代男性)など、周囲が親身にサポートする例が多いようです。
自己主張押し付け型、自信過剰型への対処法
こちらも高確率で職場に存在するタイプ。自分の考えのみが正しいと主張し、認められないと不満を表すなど、わがままで頑固な印象を与えます。
対応としては、「(態度を改めるよう)誓約書を書かせた」(50代男性)、「全員で本人と同じ態度をとり、迷惑さをわからせた」(50代男性)、「声をかけづらい態度をとる」(30代女性)、「考えを先読みし、トラブル回避するよう行動」(20代男性)などが挙げられました。
また逆に、「おだててうまく使っている」(30代女性)という声もありました。
反抗型への対処法
会話が常に反抗的で、「でも」「だって」「しかし」といった単語が頻出。すぐに逆ギレする傾向にあります。
「第三者が複数いる前で話すよ」(50代男性)、「会話が成立しないので、文章のやりとりに変えた」(40代男性)、「問題事例を、匿名で本人に検討・ディスカッションさせた」(30代男性)など周りの苦労は絶えません。
ここでも「褒めちぎって、問題を起こさないようにした」(40代男性)というのは前向きな対処法でしょうか。
被害妄想型への対処法
些細なことに被害者意識を持ち、仕事を滞らせてしまいがちなタイプ。過度な思い込みで周囲に迷惑をかけることもあります。
「コミュニケーションを密にとる」(40代男性)、「不平等はないことを理解してもらえるよう補足説明する」(30代女性)、「重要な仕事をさせない」(40代女性)、「共感して落ち着かせる」(30代男性)など、「メンタル不安定型」と同様に寄り添う姿勢が見られます。
モンスター社員増加の理由は?
アンケートから浮かび上がったのは、「無視」「我慢」「相手にしない」という対応をとる人が多いということ。タイプ分類に限らず最多の回答となりました。
価値観が多様化した現代、仕事とプライベートを完全分離するのもその人の価値判断ですが、コミュニケーション不足により人間関係が円満にいかないこともあるでしょう。
希薄な人間関係がモンスター社員増加の一因かも。同じ職場で働く者同士であっても違う価値観を持った人間同士、相互理解を深めたいですね。
なかには「私自身が即キレ型のモンスター社員です」(40代男性)、「モンスター社員のおかげで有給休暇がとりやすくなった」(50代男性)という声には、現代の職場環境の闇を感じました……。