初めてのお部屋探しって何だかワクワクするものですよね。特に内見している時は、その場所での新しい生活を想像して、テンションが上がるという人も多いのではないでしょうか。ただ、楽しい気持ちが先行してしまうと、内見時に大事なポイントを見逃してしまうなんてことも。入居後に後悔しないためにも、事前に自分の中で整理しておきたいものです。そこで今回は、内見時に盲点になりがちな設備について不動産・住生活ライターの高田七穂さんにお話を聞きました。

Q 内見時のチェックで盲点になりがちな設備って?

A 実家で便利に暮らしていると、どんな設備がついているかにはあまり目がいかないかもしれません。ですが、賃貸生活で、実家と同じ設備がある物件を探すのはそう簡単ではありません。どうしてもなくては困るという設備があれば、まず実家の設備を洗い出すことから始めてみましょう。

初めての一人暮らし。部屋の向きや風通しなどに目がいきがちですが、設備類は、住んでみて「ないとこんなに不便だったとは」などと思いやすいものです。物件探しの段階から、細かくチェックしていけばいいのですが、実家の設備類は、「あって当たり前」と思いがち。賃貸物件では、同様のものがついていない場合も少なくありません。

例えば私が最近聞いた話で、「契約前の重要事項説明の段階でお風呂の追い炊き機能がないと気づいたが、もう気持ちが固まっていたので契約した」という人がいました。そのまま契約し住み始めたものの、追い炊き機能がないことで「水道代が意外にかかる」と少し後悔しているようでした。住んでから後悔しないためにも事前準備が大切です。

まずは、一人暮らしを始める前の今のうちから実家の設備をチェック。帰って寝るまでの間にどのような設備類に触れているかを書き出してみます。一例として、以下のようなものでしょうか。

  • 帰宅して照明のスイッチを入れる
  • シューズクローゼットに靴を入れる
  • コート類を玄関のクローゼットに入れる
  • 独立化粧洗面台で手を洗う
  • エアコンのスイッチを入れる
  • キッチンでガスコンロやIHコンロで料理を温める、作る
  • キッチンで洗い物をする
  • 大型の冷蔵庫が置くスペースと電源がある
  • 皿を洗うときにスイッチを入れずにお湯が出る
  • 温水洗浄便座がある(取り付ける電源がトイレ内にある)
  • トイレが自動洗浄する、トイレ内に手洗いがある
  • 洗濯機が浴室のそばにある
  • 浴室乾燥機がある
  • お風呂を追い炊きして入浴する など

普段使用しているものを書き出したら、自分で設置できないもので、かつどうしても欲しいものに優先順位をつけていきます。ただし、温水洗浄便座は自分で取り付けられる可能性があるので、不動産会社に「温水洗浄便座が欲しいので、自分で取り付けてもよい物件はありますか」などと聞いてみましょう。もちろん、退去時には周囲のものを破損させないよう取り外して元に戻す必要があります。こちらも念のため、確認をします。

ただ、いろいろな設備が充実しているほど、家賃は高くなります。一人暮らしをしている友人に「設備がなくてもそのうちに慣れたものはある?」と聞いてみるのもよいかもしれません。

高田七穂(たかだ なお):不動産・住生活ライター。住まいの選び方や管理、リフォーム、住まいにまつわる暮らし方などを専門に執筆。モットーは「住む側や消費者の視点」。「夕刊フジ」にて『住まいの処方銭』連載中