TVアニメ『ピアノの森』新作Blu-ray&DVDBOX発売記念イベントが12月9日、東京・ユナイテッド・シネマ豊洲にて行われた。登壇者は一ノ瀬海役の斉藤壮馬、雨宮修平役の花江夏樹。
TVアニメ『ピアノの森』は、斉藤演じる一ノ瀬海の、ピアニストとしての成長を追う物語。『モーニング』(講談社)で連載された同名の漫画を原作にしており、第1シリーズがNHKにて2018年4月から7月まで放送された。当日は11話、12話の振り返り上映会後にトークセッションが行われ、作品の余韻醒めやらぬなか、斉藤と花江がステージに登壇した。
まずは作品のオーディションについて振り返る。ふたりとも海と修平どちらの役もオーディションを受けており、斉藤は「最初は修平のほうが演じやすかった」とのこと。しかし、海を演じたら思いのほか監督からの評価が高く、「海が自分の新しい引き出しをくれたなと思います」と語った。
一方、花江は海をどうしてもやりたくて、海のセリフばかりを読んでいたそう。しかし、オーディションでほかの役者とかけあいをしたときの、役の"降り具合"で修平のほうがやりやすいことを実感したという。
斉藤も「花江くんが海かなと思った。花江くんはパーソナリティ的に天才タイプなんですよ。僕はどちらかというと秀才タイプなので」と、互いに逆のキャラクターを演じると思っていたと明かす。しかし、音響監督から「ふたりのイメージとは逆の配役をしてみたけど、やっぱりオーディションではそれぞれの役がぴったりだった」とお墨付きを得ていたとのこと。
続いて、作品の中で感動したシーンを聞かれると、斉藤は「子供時代がべらぼうに泣けるなと……!」と力を込めて語った。今回の登壇にあたり作品を一から見直したところ、やはり泣かされてしまったそうで、特"便所姫"こと丸山誉子のエピソードを「悠木(碧)さんの演技もあいまって、本当に素敵でした」と絶賛。
花江は、「自分のシーンで恐縮ですが……」と前置きしつつ、泣いてしまったシーンとして「修平が久しぶりにピアノを弾くシーン、いじめっこたちに捧げるバラードを弾いた時の、あの一連の流れにグッときました」とのこと。また、海が女装するシーン、斉藤の色っぽい演技にはびっくりしてしまったそう。
プライベートで情熱をかけてハマっていることを聞かれ、斉藤は「モノを捨てること」と回答。モノを最低限しか持たないミニマリストを目指しているそうで、「何でもかんでもとっておいちゃうタイプなんです。昔のガラケーとか壊れたパソコンとかも。そういうのをちょっとずつ捨ててます」と話した。実は、花江も最近断捨離にハマっているらしく、斉藤の話を聞き「言われた! って思った」と笑った。
『ピアノの森』第1シリーズの Blu-ray&DVD BOXには、特典映像として斉藤と花江が力を合わせて、ピアノでショパンの楽曲に挑む模様も収録されている。今回のイベントでは、その一部が特別に上映された。
小さい頃に少しだけピアノを習っていたことがある程度というふたり。基礎的な運指の練習から始まり、連弾での演奏にもチャレンジ。斉藤が「ふたりで隣で弾くと、感じますね、呼吸というか音を。タイミングがわかるんですよ」と話し、花江も「ピアノをとおして通じ合ってるなって部分がある」と頷く。
撮影を振り返り、花江は「音を楽しむっていうのが何なのかわかりました」としみじみとコメント。それについて斉藤も「顔で弾いてましたからね!」と笑う。「でも顔で弾くって大事なんですよ。僕はいっぱいいっぱいでしたけど、花江くんは楽しむステージにいました」と、花江のピアノの素質に驚いていた。
最後は作品やクラシックの知識が試されるクイズコーナー。「第2話で海がどうしてもうまく弾けなかった楽曲は?」という問題には、選択肢を聞かずともふたりそろって「子犬のワルツ!」と正解を回答し、会場から大きな拍手が送られた。
ショパンの楽曲のイントロクイズでは、花江が「オーディエンス!」と場内のファンに応援を求める。その甲斐あって、こちらも正解。最後は、うろ覚えでショパンの肖像画を描くムチャぶりクイズに挑んだふたり。斉藤が雰囲気がとても近いイラストを完成させる一方、花江はイラストに「勝負パンツ」を履かせて「しょうぶぱんつ……しょうぱん……ショパン!」と、ふたりの個性が現れた。
プレゼント抽選会を経て、イベントは終了の時間を迎える。花江は「第2シーズンは、海ももちろん、修平にとっても重要なお話がどんどん出てきますから、修平の成長を見届けていただけるとうれしいなと思います」と話した。
斉藤は「現在絶賛アフレコ中なんですけど、第1シリーズからさらにパワーアップし、より濃密になった心理劇、そして音楽をぜひ楽しんでいただけたらと思います。『ピアノの森』、これからも何卒よろしくお願いします!」と笑顔を浮かべた。
TV アニメ『ピアノの森』第2シリーズは、NHK総合テレビにて2019年1月27日(より放送予定。