定年後研究所は11月15日、「定年後」に関する定量調査の結果を発表した。調査期間は2月17日~2月20日、調査対象は定年制度のある組織に在籍中の50代・50代に定年制度のある組織に勤務していた60代男性、有効回答は2,000人。

50代会社員の役職定年、経済的損失1.5兆円

  • 「役職定年」がもたらした気持ち(上位10項目)

「役職定年」とは、一定の年齢に達したら管理職から外れる制度。経験者に役職定年になった時の気持ちを尋ねると、「モチベーションダウン(やる気の低下)」が最も多く36.4%。また、50代会社員の役職定年がもたらす経済的損失を試算したところ、約1兆5,872億円(定年後研究所・ニッセイ基礎研究所共同試算)に上ることがわかった。

「50代での出向」を経験した50代男性が感じた気持ちは、「モチベーションダウン」と「あきらめ」が各23.5%で最多。次いで「さびしい・孤独」が16.8%、「つまらない」が16.0%と続いた。

「希望のセクションからの異動」がもたらした気持ちは、男女ともに「モチベーションダウン」(男性40.9%、女性46.5%)が最も高く、「役職定年」「50代での出向」に比べてモチベーションダウンの割合が一番高かった。

50代を対象に、60歳以降の生活について自身の生活の「イキイキ度」の変化を尋ねたところ、男性は「上がる」が33.2%、「下がる」が27.5%。他方、女性は「上がる」が25.0%、「下がる」が38.0%と、男女で差がつく結果となった。

60歳以降の生活に向けて企業に望む支援策は、男女ともに「長期休暇」(男性42.9%、女性45.8%)がトップ。以下、「副業公認」(37.6%、40.0%)、「キャリア研修」(32.9%、25.8%)、4位「起業支援」(16.4%、13.4%)と続いた。