政府は10月30日、過労死の現状や政府が講じた防止施策の状況などを取りまとめた「2018年版過労死等防止対策白書」を閣議決定した。

原因は「長時間勤務」が最多

  • 業務に関連したストレスや悩みの内容(教職員調査)(出典:厚生労働省Webサイト)

今回は、教職員、IT産業、医療など過重労働が顕著な重点業種・職種5つに関する調査結果などを紹介。うち教職員を対象とした調査(有効回答3万5,640人)によると、業務に関連するストレスや悩みが「ある(あった)」と回答した割合は80.7%に上った。

ストレスや悩みの内容については、「長時間勤務の多さ」が最も多く43.4%。次いで「職場の人間関係」が40.2%、「保護者・PTAへの対応」が38.3%と続いた。また「休日・休暇の少なさ」(全体28.6%)や「部活動の指導」(全体14.5%)は、中学校、高校、義務教育学校、中等教育学校で4割前後~5割弱と多い傾向がみられた。

1日の平均勤務時間は11時間17分。学校種別では中学校が最も長く11時間37分、職名別では副校長・教頭が最長で12時間33分だった。

過重勤務の防止に向けて必要だと感じる取組は、「教員(専科教員を含む)の増員」が78.5%でトップ。以下、「学校行事の見直し」が54.4%、「教員同士のコミュニケーション円滑化」が43.1%と続いた。学校種別にみると、中学校、高校、義務教育学校、中等教育学校で「ノー部活動デーの設定」(4割弱~5割弱)が高いことがわかった。