開催中の第31回東京国際映画祭でコンペティション部門に選出された『愛がなんだ』(2019年春公開)の記者会見が28日、東京・TOHOシネマズ六本木で行われ、主演の岸井ゆきの、今泉力哉監督が出席した。

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    岸井ゆきの(右)と今泉力哉監督

角田光代氏の同名小説を原作とする同作は、仕事や友人、自身の生活すべてを犠牲にしてもいいほどの“愛”を持った28歳のOL・テルコ(岸井ゆきの)と、彼女を取り巻く様々な人物を描いた恋愛群像劇。テルコと、テルコが一方的に思いを寄せるマモル(成田凌)を中心に、“片思い”の可笑しさと切なさを徹底的に掘り下げる。

岸井は、最初に原作を読んだ際に「この役ができるんだ」とうれしく感じたとのこと。そして、「脚本を読んだときも、原作の大事なところがキュッとなっていて、原作へのリスペクトも感じつつ映画にできることは何なのか脚本に表れている気がした」と脚本にも魅力を感じたと言い、「とてもおもしろかった分、プレッシャーもありました」と明かした。

演じたテルコとの共通点については、「好きな人に関わらず、好きな物や事に一直線になるところがあって、そこはすごくテルコと似ているなと思います」と説明。監督も「まっすぐな部分とか、たぶん器用な方ではないので、それはテルコとしてすごくよかったと思います」と岸井とテルコの共通点を語った。

岸井はまた、実生活で片思いしたらどうしているか聞かれると、「実際に好きな人ができたときは…本当に好きって思っちゃうと何もしゃべれなくなっちゃうので、自分をいかにバカにするか、『好き好きー!』みたいな、ちょっとふざけたくらいの気持ちでバッと言ってしまったりするのかなと思います」と恥ずかしそうに笑いながら答えた。

さらに、監督と一緒に悩みながら作り上げたことを明かし、「そういう戸惑いや悩みもテルコの迷いと重なる部分があって、この作品においては一緒に迷いながらやったほうがテルコの気持ちにも合うし、愛というもの自体も答えがないものなので。土台を2人で作っていったなという感じがしました」と納得の表情を見せた。

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