「収納が少ないせいで片づかない」「出しておいたらモノがどんどん溜まる」「しまうと見つからない」など悩みが尽きません。そんなときこそ「隙間」に注目。意外なことに便利な収納場所になるのです。
棚に残った小さなスペースを活用する
片づけるのが上手い人のなかには、戸棚や引き出しにしまうことなく、手軽なやり方を取り入れたりしています。たとえば本棚の場合には、サイズが同じ本を一列に並べて、一段上にある棚板と本との間にできた隙間にトレイを置きます。そのトレイに、今日届いた郵便物やセールの案内状などを仮置き。トレイという道具を一つ取り入れることによって、片づけるという意識が生まれます。そのため隙間にモノを直置きしなくなり、テーブルやカウンターの上が散らからなくなるのです。
同じように食器棚に並べた器の上に隙間が残っているときには、棚板に引っ掛けて使えるカゴを差し込むと、空いたスペースが有効に使えます。反対に、あえて隙間が残るようにしまうのもいい手です。棚にモノを収納するときに、上の方に隙間が空くように背の低いモノを揃えて並べるのです。そこで生まれた隙間にカゴやトレイを置くだけで、棚がもう一段増えたのと同じこと。棚板を加えるといった手間を掛けなくても、すぐに収納力が上がるというわけです。こういった方法は、たくさんしまいたいからではなく、ちょっと片づけたいときにサッと入れて置ける場所づくり。そういった発想で隙間を利用してみましょう。
死角に片づけてスッキリをキープする
部屋の中を見回してみてください。室内のあちらにもこちらにも隙間が残されているはず。役に立つように思えない小さな空間なのですが、そこにちょうどよく収まるモノがあるのでは?そんな目線で隙間をチェックしましょう。
家具と壁の間、脚付きの家具の下、テーブルの下など、使いみちのなさそうな空間が残っていると思います。ふだんは気に留めていない死角となっているような場所なのですが、そこが片づけるのにちょうどいい場所に変わったりするのです。ソファや椅子の下、キャスターの付いたプランターの台を隙間に潜らせて、読みかけの雑誌を、テーブルと椅子の脚の間に残っている、縦に細長いスペースにはスリムなボックスを入れて、書類やバッグを入れるといったやり方。こうするとモノを使いたい場所のすぐ近くに収納することができて、片づけやすくなります。
扉まわりの余ったスペースにちゃっかり収納する
キッチンや洗面所では収納扉の裏にフックを付けて、道具を吊り下げる場所として利用しているかもしれませんね。さらに、部屋の扉まわりを見直してみるのがおすすめ。中途半端に余っているから使えないと思って、見過ごしていることが多いのです。扉の脇に5センチでもスペースが残っていたら、そこも吊り下げ収納に使いましょう。
開き扉を開けたときに、壁との間にできる5センチの隙間。そこにフックを付けると、カバンや衣類を引っ掛けることができます。玄関ドアのすぐ横に残っている5センチの隙間。そこにもフックを付けて、折りたたみの傘やエコバッグを吊り下げてもいいでしょう。寝室の扉、トイレの扉まわりなど、よく見ると未利用なスペースが残されているかもしれません。使う頻度の高いモノは、見えない所にしまうよりも、そういった隙間を利用して片づけると使い勝手がよくなりますよ。
すはらひろこ
整理収納アドバイザー認定講師・一級建築士・インテリアコーディネーター。インテリアのプロならではの収納術が、オシャレでやる気がわくと好評。片付け講座を定期開催するほかテレビ・雑誌でも活躍。著書「シンプルに暮らす 無印良品で片づく部屋のつくり方」(エクスナレッジ)、「朝、着る服に迷わないハッピー収納術」(大和書房)、「1分からはじめるかたづけ術」(だいわ文庫)など著書・監修書多数。
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