西武鉄道は25日、自然あふれる飯能エリアの玄関口として、池袋線飯能駅のリニューアルを実施すると発表した。駅舎リニューアルにあたり、2017年度にフィンランド国内のデザイナーを対象とした「飯能駅リニューアルデザインコンペ」をフィンランド大使館と共催で実施しており、コンペの最優秀デザインにもとづき工事に着手する。
飯能駅から近い宮沢湖を中心とした広大なエリアでは、フィンテックグローバルがフィンランドおよび日本でも人気の高い『ムーミン』の世界や北欧のライフスタイルを体験できる施設「メッツァ」を今年度開設する。西武鉄道では、「メッツァ」の最寄駅のひとつである飯能駅を観光拠点に位置づけ、自然あふれる飯能地区の玄関口にふさわしい駅へのリニューアルを実施するという。
飯能駅のリニューアルでは、コンセプトを「Sykli(サイクル)」とし、自然環境のサイクルと人間の動きを対比させたデザインを採用。空間全体を使って、観光客も地域住民もそれぞれ行きたい方向に誘導できる環境を創ることをめざしている。
コンコースは木材を模した膜天井をホーム・階段・コンコースとそれぞれの目的の場所へと誘うように取り付け、誘導を促すカモメをモチーフとした鳥も設置。1・2番線ホームの階段は「葦」、3・4番線ホームの階段は「樹木」をモチーフとしたデザインとし、ホームからコンコースへ気持ちを高揚させるような空間を演出する。
それぞれのホームで異なる季節を表現しており、1・2番線ホームは「春」、3・4番線ホームは「夏」として、木材を使用したモチーフを設置。特急ホームは「冬」として、照明で粉雪を表現するという。工事の完了は2019年3月を予定している。