子どもが楽しく遊びながら学習もできる「知育玩具」。現在のおもちゃ業界においてもそのカテゴリーは大きなマーケットを占めており、アナログからデジタルまで幅広いジャンルのアイテムが各メーカーから続々登場している。

  • 「クリスマスおもちゃ見本市2018」の会場にも、知育玩具が多数ラインナップ!

このほど東京都立産業貿易センターにて開催された「クリスマスおもちゃ見本市2018」においても、知育玩具は大いに注目を集めていた。今回は、「アナログ」「プログラミング」「インバウンド」という3つのキーワードをもとに、同見本市にて展示された最新の知育玩具を紹介する。

アナログ回帰の知育玩具

昨今、昔からある知育玩具が見直されている。例えば「積み木」。色々なパーツを組み合わせることで想像力が身に付き、手先の器用さも発達するなど、さまざまな効果が期待できる幼児期のおもちゃとして定番の存在である。日本に昔からある「折り紙」や「けん玉」なども、言わばアナログの知育玩具だ。そんなローテクなおもちゃたちも、味わいを残しながら着実に進化を遂げている。デジタルにはない、独特の温かみが感じ取れるアナログな商品に注目してみよう。

  • オーストリア発のカラフルなブロック「ビオブロ」

カラフルな「ビオブロ(ジーピー)」は、EUを中心に教育機関でも採用されているオーストリア発の知育ブロック。素材は木材とリサイクルプラスチックの混合材で、そこに顔料を混ぜ込んで作られている。そのため子どもが舐めても色落ちすることがなく、洗うこともできるのだ。

ブロックはハニカム構造となっており、シャボン液に浸せばシャボン玉も作れるとのこと。ブロックの形が平たいので積み重ねてもバランスが取りやすく、従来のジョイント式ブロックとは一線を画す商品となっている。

  • 中に灯りを入れて、間接照明のようなインテリア風にも楽しめる

また、展示会に先立って行われたコンテストにて「知育・幼児玩具」部門の1位に選ばれた「ロジカルルートパズル(くもん出版)」のようなパズルゲームも人気を博している。同商品は、パネルを組み合わせて道を作り、ボールが同じ色のゴールに入るよう導くというパズル。デジタルの画面上では味わえない、実際に触れて組み立てていく感覚は、幅広い年代で一緒に楽しめること請け合い。

  • パネルを組み合わせてボールが転がるルートを作る「ロジカルルートパズル」

プログラミングに親しむおもちゃ

小学校の教育課程で取り入れられる「プログラミング」も知育玩具に影響を与えており、その学習用ツールとしてタブレットやノートPCタイプのおもちゃも登場している。

  • 直感操作で遊びやすい「デジタルラーニングトイシリーズ」

「デジタルラーニングトイシリーズ(バンダイ)」は、年齢別に製品がラインナップされており、キーボードの配列にそれぞれ工夫が施されている。2~6歳向けの製品は、「あいうえお配列」なのに対して、5~8歳向けの製品は一般のPCと同じ「JIS配列」に。「ドラえもんステップアップパソコン」は、STEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)教育を取り入れており、どれもゲーム感覚で楽しみながらプログラミングが学習できるようになっている。

  • 小学校入学前の学びがぎゅっと詰まった「アンパンマンパソコン」

  • ドラえもんを動かしながら論理的思考を身に付けられる「ドラえもんステップアップパソコン」

ディズニーキャラクターを採用し、180ものアプリを搭載した「マジカル・ミー・パッド(セガトイズ)」も、新しい学習スタイルでプログラミングが学べるスグレモノ。自分でプログラミングをしてオリジナルのゲームが制作できるほか、理解度に合わせて出題が変化する疑似AI学習システム、ディズニーキャラクターが登場する翻訳アプリなど、家庭でもしっかりとしたICT(情報通信技術)教育に触れられる。

  • 魔法のような新しい学習スタイルでキッズの勉強を助ける「マジカル・ミー・パッド」

タブレットやPCのようなデジタル端末を使わずに、プログラミングの基礎を学べる知育玩具にも注目したい。「ボットリー コーディングロボット(ドリームブロッサム)」は、基礎的なコーディングが体験できる知育玩具だ。PCを使わずに、リモコンでプログラミングしたロボットを動かすおもちゃで、遊びの中でプログラムの概念を学ぶことができる商品となっている。

  • 基礎的なコーディングが体験できる知育玩具「ボットリー コーディングロボット」

インバウンド需要で注目される知育玩具

インバウンド需要の高まりという世の中の流れからも、知育玩具が注目されている。日本に来る旅行者が購入する子ども向けのお土産は、以前はキャラクターものが強かったが、リピーターが増えるにつれて知育玩具も人気が出てきたという。

  • バランス感覚と集中力が身につく「ピットランドシリーズ」

磁石の上にキャラクターを積み重ねていく「ピットランドシリーズ(ぼりゅうむわんプロダクツ)」は、バランス感覚と集中力が身につく定番の知育玩具。訪日外国人の間では、同シリーズの「ニンジャ」が人気のようだ。

  • 同シリーズに新たに仲間入りした「ニンジャ」

そして、日本らしい食品の知育玩具も好評を博している。箸使いのマナーが身につく「マナー豆シリーズ(アイアップ)」は、日本人にはもちろん訪日外国人にも評判で、日本の土産にと数種類購入する人もいるという。

  • 重箱に入った豆を箸で運んで対戦する「マナー豆匠(びーんずたくみ)」

豆を重箱に入れる「マナー豆匠」や、魚の食べ方が学べる「マナー魚」、1/5スケールの小さな寿司を箸でつまむ「まめ寿司」などバリエーションも豊富にラインナップ。

  • 箸使いと魚の正しい食べ方が学べる「マナー魚(フィッシュ)」

  • ネタ10種のお寿司が揃った和風の玩具「マナー豆 まめ寿司」。付属の作法書には、箸のマナー違反にあたる「嫌い箸」も記されている

親世代が慣れ親しんだ昔ながらのものから、プログラミングが学べる最新のものまで、幅広いジャンルが展開されている知育玩具。感性を刺激してくれる新感覚のおもちゃたちは、子どもたちの可能性を大いに伸ばしてくれることだろう。