――最初の段階で、紗羽は今後こんな風になっていくというような説明はなかったのでしょうか。

紗羽に関しては、何の情報もありませんでした。そもそも、なんでジャーナリストになったのか、というバックボーンすらなかったですからね。日本が東都、北都、西都に分断して対立している中で、どうして紗羽はジャーナリストという道を選んだのか、どんなモチベーションがあったのか、演じるほうとしてはすごく気になるじゃないですか。どうなんですか?と尋ねても、監督もプロデューサーも「うーん、なんでかなぁ~?」なんて、何も言ってくれないんですよ。ちょっとイラっとしました(笑)。

――あえて芯とする部分を作らなかったことで、作品の展開に応じてキャラクターを柔軟に対応させる狙いがあったのかもしれませんね。当初、コワモテで通っていた氷室幻徳が、戦兎の仲間になって以降、笑いを取りに行くようになっていったり……。

確かに! 今や幻徳さんは、もう癒しのキャラになっていますよね(笑)。現場でもすごく楽しいんですよ。幻徳さんと一海のやりとりがあるだけで、『ビルド』のイメージが変わって見えるというか……。幻徳の「ネタキャラ化」については、諸田(敏)監督の愛がすごいですね。幻徳の独特のファッションセンスも(水上)剣星さんが着ているから、1時間くらい一緒にいると、「あれ、アリなのかな?」って思えてきます(笑)。一周回ってオシャレ?みたいな感覚になるんですね。そこは剣星さんの魅力によるところが大きいです。

――紗羽を演じたことで、周囲の方たちからどのような反響がありましたか?

お正月休みに地元の大阪へ帰省したのですが、そこで親友の子どもに会ったとき「紗羽さんが大阪に帰ってきたら、ビルド困らない? 大丈夫?」って心配されたことがあったんです。小さな子にとってはテレビの世界と現実の世界に境界線がなくて、私が『ビルド』の紗羽だと信じて疑わないんですね。その瞬間、子どもが信じている世界の住人を自分自身がしっかりと演じ、表現しないといけないなと、改めて強く感じました。

――『仮面ライダービルド』の出演者はみなさん結束が強くて、よいチームワークだとうかがいました。撮影の合間には、共演者のみなさんとどのように過ごされていましたか。

撮影が早めに終わったとき、みんなでカラオケに行ったり、ラーメンを食べに行ったり……。昼休みでもわざわざ撮影所の外に出て、ラーメン食べようよ!ってなるんですよ。特に、美空役の(高田)夏帆ちゃんとはすごく仲が良くて、ほとんど一緒にいました。今日は、これまで2人でどこに行ったのか、メモしてきたんです(笑)。まず12月31日から1月1日にかけてはカウントダウンライブに行って、5日にはお雑煮会をやりました。イチゴ狩りのバスツアーに行ったこともありましたね。お昼は温泉に入ったりして。それから、ディズニーランドや、代々木公園でのピクニック! あと、夏帆ちゃんと2人して銭湯にも行きました。これまでのお仕事で、ここまでずっと一緒にいて、プライベートでも仲良く遊んだ女子の共演者はいませんでしたね。

――第28話「天才がタンクでやってくる」では、紗羽の裏切りを知った美空が、紗羽を思いっきりビンタするシーンがありました。仲良しの2人だけに、あのビンタシーンはどういうお気持ちで挑まれたのか気になります。

あのビンタは、とてもいいビンタでした(笑)。私も人の顔をひっぱたく芝居は何度かやったことがありますけれど、なかなか一回でいい音を出すのって、難しいんですよ。夏帆ちゃんは本番前にずいぶんと練習をしていたようで、思いっきりやっていただきましたね。