「仮面ライダー」最新作として、9月2日よりテレビ朝日系で放送がスタートする特撮ドラマ『仮面ライダージオウ』の制作発表会見が7日、都内で開催され、主人公・常盤ソウゴ/仮面ライダージオウを演じる奥野壮らメインキャストが発表された。

  • 左から渡邊圭祐、押田岳、奥野壮、大幡しえり

「平成仮面ライダー20作品記念」にして、「最後の平成ライダー」となる本作。物語は、2018年を生きる普通の高校生・ソウゴの前に、50年後の2068年の世界から「タイムマジーン」というタイムマシンに乗って2人の男女が現れるところから始まる。

2068年では、人々を苦しめる魔王が世界を支配していた。その世界からやってきた明光院ゲイツ(演:押田岳)/仮面ライダーゲイツは魔王となる前のソウゴを抹殺すべく、ツクヨミ(大幡しえり)はソウゴが魔王とならないように導くために、2018年の世界にやってきたのだった。ゲイツに命を狙われ、ツクヨミに助けられつつ必死に逃走しながら、ソウゴは自らの運命を知ることになる。

一方、未来からタイムジャッカーという歴史を変えようとする者も現れる。彼らの目的は魔王ではない、新たな王を作り出すこと。彼らは自分にとって都合のいい魔王候補と見込んだ人間と契約、歴代の平成仮面ライダーとなる力を与える。例えば、2017年の世界に現れたタイムジャッカーは、桐生戦兎からビルドの力を奪い歴史を変えると、別の人間をビルドにしてしまう。ところが、その人間にはビルドになる資格が足らず、醜い怪人ライダー・アナザービルドとなってしまうのだった。

ゲイツとツクヨミにとって、ソウゴが仮面ライダージオウに変身することは、魔王となる第一歩。何としても阻止しなければならないことだったが、怪人=アナザーライダーが出現したことで、ソウゴはライドウォッチを手に仮面ライダージオウに変身。目の前の敵と戦う決意をする。

お気楽なソウゴは50年後、魔王となって世界を支配してしまうのか? ゲイツとツクヨミは最悪の事態を阻止するため、ソウゴを厳しく監視しつつも、ジオウに変身し、アナザーライダーを倒すソウゴの"正義の闘い"を目の当たりにするうちに心が変化していく。そして、歴史を変えようとするタイムジャッカーたちの真の狙いとは? 各年代のライダーたちとの交流を描きつつ、それぞれの思惑を秘めた闘いが進行していく。

主人公は2000年生まれの新人・奥野壮

主人公・常盤ソウゴは、高校の進路指導でも「王様になる」と言ってしまう18歳の高校3年生。天才なのか、天然なのか、「なんか行ける気がする」と言ってはやってのける力をもつ。苦境に陥っても笑ってしまうポジティブな思考の持ち主。突然、目の前に現れたツクヨミから「50年後に魔王として世界に君臨する」と未来の姿を告げられても、あっさりと受け入れてしまう。魔王ではなく、人々の幸せを実現する王様になるという夢をかなえるため、仮面ライダージオウとして戦う決意とする。

ソウゴを演じる奥野壮は、2017年に開催された「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」において、フォトジェニック賞と明色美顔賞をW受賞。2018年より、『仮面ライダーゴースト』主演の西銘駿、『仮面ライダーエグゼイド』主演の飯島寛騎らも所属する「男劇団 青山表参道X」に加入している。子どものころの夢は「バレエダンサー」で、クラシックバレエを11年間やっていたのだという。

主演決定の報を受けた時のことを、「放心状態でした。でも家に帰ってからしっかり考えたら、すごく光栄なことだとひしひし感じました」と振り返った。佐藤健や菅田将暉、福士蒼汰や竹内涼真など、近年の「仮面ライダー」出身俳優の活躍は目覚ましいものがある。奥野も、「偉大な先輩たちと同じスタートラインに立てたということで、うれしい反面、僕で大丈夫なのかなという不安な気持ちもありますが、精一杯頑張っていきますのでよろしくお願いいたします」と、初々しく率直な気持ちを語った。

撮影開始から2か月が経過したものの、まだまだ実感はないようで、奥野は「今日もこんなに多くの方に集まっていただいているのですが、自分が仮面ライダーになったという実感はまだ……。9月2日を迎えて、放送を見るまでは実感はわかないのかなと思っています」と、急な環境の変化への戸惑いも口にしていた。

役作りについては、「常盤ソウゴという役は、自信家なところや、楽観的にものごとを見るところなどは僕にも似ているところでした。そういうところとは違う、僕とは似ていない部分で、ソウゴはどう思って言葉を発するのかなということを考えて演じるようにしています」とコメント。なお、奥野の好きなライダーは『仮面ライダーキバ』で、理由は「カッコいいからです!」とのこと。押田によると現場では「壮」と呼ばれており、「17歳とは思えないくらいしっかりしている。しっかりと考えて準備してくるし、根っこがしっかりして、肝が据わっているので仮面ライダーに向いている」と評された。

会見では、さっそく仮面ライダージオウへの変身ポーズも披露。指先まで気持ちの入った、バレエ経験者ならではのポーズで、決め台詞「俺は王様になる!」もカッコよく決まっていた。

ソウゴが変身する仮面ライダージオウは、時計がモチーフとなったデザインだが、それ以外にも大きな特徴が。奥野もビジュアルも初めて見た際に、「顔に"ライダー"……! なのになんかカッコいいんですよね。最初はそう書いてあることに気が付いていなかったんです。僕の場合は『ケン』とか『ジュウ』とか"カタカナ"なんですけど、ゲイツは"ひらがな"。実は足の裏には『キック』って入ってるんですよ。ライダーキックの時に見られるんじゃないかな」と、まさに隠れた見どころに言及した。