医療法人社団イースト会イースト駅前クリニックはこのほど、「ED専門クリニック 初診患者における疫学的調査」の結果を明らかにした。同調査は1月4日~3月31日、同クリニック新橋院に来院した患者の1,307症例をもとに分析したもの。

  • 年代別ED患者数

    年代別ED患者数

同クリニック新橋院の来院者1,307名のうち、最年少は20歳、最年長は82歳だった。平均年齢は47.8歳となっている。年代別にみると、40・50代が多いが、20代・30代も全体の27.2%を占めており、若年者のEDは近年増加の傾向にあることがわかった。

全初診患者に基礎疾患の有無を聞いたところ、30%が「ある」、70%が「ない」と回答した。

  • 基礎疾患の有無

    基礎疾患の有無

具体的にみると「高血圧症」(36.3%)、「糖尿病」(14.3%)、「高脂血症」(4.5%)、「高尿酸血症」(3.7%)が多く、メタボリック症候群との合併症状が目立つ。

  • 基礎疾患の内訳

    基礎疾患の内訳

また、基礎疾患に対する治療薬剤(降圧剤・抗糖尿病剤・精神科系薬剤など)による「薬剤性ED」が加齢リスクに重複していることも示唆された。薬剤投与による「薬剤性ED」を減少するためにも、生活習慣の改善を図る必要性があるとのこと。

そのほか、睡眠時の呼吸停止による夜間酸素飽和度の低下や、過度な交感神経の緊張により、血流の流れが悪化してEDを引き起こしやすくなるなど、睡眠時無呼吸症候群の患者も増加傾向にあることもわかった。

全初診患者に喫煙しているかを聞いたところ、33%が「喫煙している」と答えた。同院によると、タバコを吸うと血管内で一酸化炭素(NO)が減少するため、陰茎周辺の動脈硬化によって血流が滞り、EDが引き起こされるとのこと。

  • 喫煙の有無

    喫煙の有無

また、ニコチンには末梢の動脈を収縮させる作用もあり、より陰茎周辺の血流が悪化して、EDを引き起こす可能性が高くなるため、ED剤の投与に加えて禁煙教育を行うことも重要だという。実際に禁煙することで、ED症状が改善したという例も報告されているとのこと。