クレジットカードを作るときに気になることのひとつが、年会費ではないでしょうか? カードを使っても使わなくても、毎年かかるコストはできるだけ抑えたいもの。でも、年会費無料のカードでも十分に活用できるの? と気になるかもしれませんね。
そこで今回は、便利に使えて、かつ年会費無料のクレジットカードをご紹介します。
年会費無料のクレジットカードのメリット、デメリットは?
年会費無料のクレジットカードの最大のメリットは、なんといってもコストがかからないこと。持っている分には特に費用がかからないなら、とりあえず作ってみても問題はなさそうです。
むしろ年会費無料のクレジットカードには、無料ながら便利な機能やサービスを充実させたものもあります。特に人気なのは、ポイントの還元率が高いカード。
一般的なカードでは利用額200円ごとに1ポイント、つまり還元率0.5%が主流なのに対して、1%以上のポイントを付与してくれるものもあります。還元率の高いカードを選ぶときには、1年間に受け取れるポイントが年会費よりも多く見込めるかどうかが重要ですが、年会費無料なら、その心配もありません。
ほかに国内外のパッケージツアー、ホテルや温泉、映画館などでの割引優待が受けられる、国内・海外旅行傷害保険やカードの盗難・紛失による不正利用への補償といった付帯保険がついているなど、年会費が有料のカードに劣らないスペックを誇るものもあります。
ただし「年会費無料」にも思わぬ落とし穴があることも。たとえば「初年度のみ年会費無料」のカード。カードを作った1年目の年会費は無料ですが、2年目からは有料になります。
また「年間のカード利用額●万円以上」など、条件付きで年会費が無料になるカードもあります。チラシやウェブの申し込み画面で「無料」の文字が強調されていると見落としがちですが、カードを作った後のコストも事前にチェックしておくと安心です。
年会費無料のクレジットカード、お薦めは?
ここでは、年会費がずっと無料(永年無料)のカードの中から、使い勝手が比較的良いものをご紹介しましょう。
●楽天カード
楽天スーパーポイントを貯めている人にはおなじみの「楽天カード」。通常のお買い物で1%のポイントが付くほか、楽天市場での決済に使うとポイントが最大3倍、楽天トラベルで使うと2倍になります。貯まったポイントは1ポイント1円として利用可能。楽天市場、楽天トラベルのほか楽天銀行、楽天ブックスなど関連サービスに加え、マクドナルド、プロント、ミスタードーナツなどの提携店でも使えます。
電子マネーEdy機能がついた一体型カードなら、クレジットカードから電子マネーへのチャージ200円ごとに1ポイント、電子マネーの利用200円ごとに1ポイントがつきます。つまり、ポイントの2重取りが可能です。
●Orico Card THE POINT
お買い物はとにかくスピーディーに支払いたい! という人に便利なのが「Orico Card THE POINT」です。カードやスマートフォンをお店の端末にかざすだけで決済できるQUICK PayやApple Payに対応しています。
ポイント還元率は通常1%なのに加え、カードに入会後6カ月間は2%になります。貯まったポイントはAmazonギフト券、iTunesギフトコード、ファミリーマートお買い物券のほか、Tポイント、WAONポイント、Pontaポイント、楽天スーパーポイント、航空会社マイルなど、幅広い交換先があるのも魅力です。
●Yahoo! Japanカード
Tポイントを貯めている人に便利なのは「Yahoo! Japanカード」でしょう。通常のカード利用で100円につき1%のTポイントがつきます。貯まったTポイントは1ポイント1円として使えます。Yahoo! 関連サービスのほか、ファミレス、コンビニ、ツタヤ、ドラッグストアなど、リアル店舗・ネットショップとも非常に多数の提携先で使えるのが魅力です。
カードを利用して購入した品物が破損・火災・盗難などにより損害を受けたときには、購入から90日以内なら補償される保険も付帯しています。ヤフオク! で買った中古品も一部対象になりますよ。
●イオンカードセレクト
イオンでのお買い物が多い人におすすめなのが「イオンカードセレクト」です。クレジットカードとイオン銀行のキャッシュカード、電子マネーWAONが一体になったカードです。
イオン、イオンモール、ダイエー、マックスバリュなどでのお買い物ならポイント2倍(還元率1%)になります。また、これらイオングループ対象店で毎月20・30日に行われる「お客さま感謝デー」で利用すると、お買い物代金が5%オフになります。
貯まったポイントは1ポイント1円のWAONとして使えます。WAONは200円の利用で1ポイント付くので、ポイントがまた次のポイントを生むしくみにもなります。
さらに、イオン銀行の普通預金金利が高くなります。一般的な大手銀行では年0.001%(2018年6月現在)なのに対して、年0.1%と100倍の金利がつくのはかなり有利ですね。
年会費無料のクレジットカードの選び方のポイントは?
このように、年会費無料でも魅力的なクレジットカードはたくさんあります。とはいえ、あれこれとむやみに作るのも考えもの。多数のカードを持ち歩いては失くしたり盗まれたりするリスクがありますし、それぞれの利点を十分に活かして使いこなそうとすると負担が重くなりすぎる恐れもあります。
ですから、自分のライフスタイルに照らし合わせて、最も使い勝手が良いものを優先的に選びましょう。
まず、カード決済をする場所が、カードの強みに合っているもの。日頃よく行くスーパーやコンビニ、ファミレスなどで貯まるポイントの種類がどれか? を基準にするとよいでしょう。また、カードを提示する、または決済すると割引されるなどの優待が、自分の生活圏内で受けられるかどうかを基準にするのもアリです。
そして、貯めたポイントを自分の好みに合わせて使えるかも大事です。せっかくたくさん貯めても、使い道がなければもったいないもの。ポイントをお目当ての商品や電子マネー、提携ポイントに交換できるかどうかをチェックしておきましょう。
コストを抑えて作れる年会費無料のクレジットカードを上手に活用して、お得を楽しめるとよいですね。
※写真と本文は関係ありません
加藤梨里
ファイナンシャルプランナー(CFP(R)認定者)、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員
保険会社、信託銀行を経て、ファイナンシャルプランナー会社にてマネーのご相談、セミナー講師などを経験。2014年に独立し「マネーステップオフィス」を設立。専門は保険、ライフプラン、節約、資産運用など。大学では健康増進について研究活動を行っており、認知症予防、介護予防の観点からのライフプランの考え方、健康管理を兼ねた家計管理、健康経営に関わるコンサルティングも行う。