『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』のメイン商品は、バンダイから発売されている「DX(デラックス)快盗合体ルパンカイザーセット」および「DX警察合体パトカイザーセット」です。今回の「戦隊」は快盗と警察、2つのチームが時に対立し、時に協力し合って悪のギャングラーと戦う設定なので、メインの合体ロボも2種類存在するわけですが、両戦隊の関係性と同じく、合体ロボの組み合わせにもひとひねり加えてあって、実にユニークなものになっています。
ルパンレンジャーの専用マシンは「ダイヤルファイター」と呼ばれる3機の飛行メカ、パトレンジャーの専用マシンは「トリガーマシン」と呼ばれる3台の地上走行メカです。両戦隊のマシンをまとめて「VSビークル」と呼ばれることもあります。それぞれのマシンは、「グッドストライカー」という意志を持つマシンをベースにして、頭部、右腕、左腕に合体し、ルパンカイザー、あるいはパトカイザーが完成するのです。
2018年6月10日放送の『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』第18話「コレクションの秘密」にて、その誕生の秘密が明かされたグッドストライカーは、アルセーヌ・ルパンの「ルパンコレクション」をギャングラーから奪い返すという使命を持ちながらも、ルパンレンジャーだけに味方するのではありません。戦いの状況に応じて、ルパンレンジャー、パトレンジャーのどちらかの戦いぶりに"グッときた"グッドストライカーの「その時の気分」によって、ルパンカイザー、パトカイザーのどちらで戦うのかが決まるという仕組みです。
商品展開で注目なのは、ダイヤルファイター(レッド、ブルー、イエロー)とトリガーマシン(1号、2号、3号)、そして「DXグッドストライカー」を単体売り商品で集めるほか、ダイヤルファイター3機とグッドストライカーが同梱されて、ルパンカイザーへの合体遊びができる「DXルパンカイザーセット」、トリガーマシン3台とグッドストライカーが同梱されて、パトカイザーへの合体遊びができる「DXパトカイザーセット」という、2種類のセット商品が販売されているところです。
つまり、最初にルパンカイザーセットを購入した後、トリガーマシンを単品商品で3台集めれば、パトカイザーへの合体も可能ということです。そして、すでにテレビで活躍しているように、ルパンレンジャー、パトレンジャーがそれぞれ使用する追加装備「トリガーマシンバイカー」や「サイクロンダイヤルファイター」なども単体商品で追加することにより、ルパンカイザー、パトカイザーそれぞれを強化モードにすることもできます。
両腕に新戦力を換装することでスタイルを変化させるパターンは、『激走戦隊カーレンジャー』(1996年)のRVロボとVRVロボの両腕を交換した「天下の浪速ロボスペシャル(第40話)」を先がけとし、『百獣戦隊ガオレンジャー』(2001年)のガオキング、ガオマッスルなどの精霊王たちの合体システムによって、ひとつの完成を見ます。
また、本作の商品展開でさらに特筆すべきなのは、ヒーローが搭乗する「主力メカ」が、そのまま「変身アイテム」として使用されることです。ダイヤルファイターやトリガーマシンは、ふだんはルパンレンジャーやパトレンジャーが携帯している小型アイテムで、「VSチェンジャー」と呼ばれる特殊な銃にこれらをセットすることにより、快盗チェンジ、あるいは警察チェンジを行うことができます。設定では、小型のダイヤルファイターやトリガーマシンは巨大なギャングラーと戦うときは機体がグングンと巨大化し、コクピットの中にルパンレンジャー、パトレンジャーが入って操縦することになります。主力メカを変身アイテムと連動させるアイデアは『烈車戦隊トッキュウジャー』(2014年)のトッキュウレッシャーでも試みられていましたが、烈車の先頭車両のみを変身に使用していたトッキュウジャーと異なり、今回のルパンレンジャー、パトレンジャーは主力メカがそのまま変身アイテムとして使えるところが、目新しさとなりました。
それでは、ルパンカイザーから各メカの合体シークエンスを再現してみることにしましょう。
各ダイヤルファイターには、その名のとおり大きなダイヤルが付いているのが特徴です。
ダイヤルファイターのダイヤルを回転させることによってロックが外れ、飛行形態のノーマルモードからアタックモードに変形できます。ダイヤルを回すときの「カリカリッ……」という音が、ダイヤル式金庫を開ける時の音を思わせ、なんともいえない心地よさがあります。さらに、回しているうちにカチャリとロックが外れ、機体が変形するというギミックもたまりません。
グッドストライカーのトリガーマシンモード。これが変形して……
グッドストライカー ダイヤルファイターモードになります。
グッドストライカーとダイヤルファイターを組み合わせて、ルパンカイザーへの合体を開始します。まず、グッドストライカーを変形させ、巨大ロボの胴体と下半身を作ります。
グッドストライカーの先端部分を引っ張り、左右に分けることで、ロボットの足が完成。ルパンカイザーにするときは、足のアーマーを下方向へ展開し、カラーを赤にします。
この状態から、それぞれアタックモードに変形させたダイヤルファイターを合体させます。
両腕と頭のジョイントを、胴体にカチッと音が鳴るまではめ込みます。一度ジョイントすると、少々振り回しても外れませんが、強く引っ張ることによってスムーズに外れます。形状的なポイントとしては、接続部に角度が付けられているところに注目です。これによって両腕が垂直に下がってしまうことなく、カッコいいポーズのままディスプレイすることができます。
テレビ本編でも印象的に描かれた、ダイヤルと連動して顔が現れるギミックです。これでルパンカイザーの合体が完了しました!
グッドストライカーの「ダイヤル」を回すことによって「ルパンレンジャーモード」となり、ルパンカイザー寄りの音声(効果音＋セリフ)が発生します。
グッドストライカーからダイヤルファイターが分離し、こんどはトリガーマシン3台が集合してパトカイザーへの合体を開始します。
トリガーマシンは後部の引き金(トリガー)を引くことにより、ノーマルモードからアタックモードへと変形します。ダイヤルファイターがダイヤルロックを外して変形する緻密なスタイルなのに対し、トリガーマシンは先端部が勢いよく飛び出るダイナミックな変形が魅力となっています。
3台のトリガーマシンが胴体に接続され、パトカイザーへの合体が完了します。グッドストライカーの「トリガー」を引くことによってパトレンジャーモードとなり、音声(効果音＋セリフ)がパトレンジャーを応援するものに変化します。
パトカイザーのときは、足のアーマーは上にかぶさっており、シルバー＋黒という無骨なカラーリングとなります。
トリガーマシンとダイヤルファイターのジョイントは大きさが統一されているので、さまざまな合体バリエーションを作ることができます。こちらはパトカイザーの左腕にイエローダイヤルファイターが合体したもの。テレビの第18話では、トリガーマシン2号、トリガーマシン3号が両腕を形成しているところに、むりやりレッドダイヤルファイターが合体してきたことにより、変則的なルパンカイザーが完成。コックピットの中でルパンレッドとパトレン2号、パトレン3号が激しく争いながら、ギャングラーと戦うことになってしまいました。
通常は頭部と胸部に位置するはずのレッドダイヤルファイターですが、このように腕の部分に取りつけることができます。
足のアーマーを上下に展開するだけで、ずいぶん印象が変わりますね。
現在は、新しく発見された「ルパンコレクション」として、シザーダイヤルファイター＆ブレードダイヤルファイター、トリガーマシンバイカー、サイクロンダイヤルファイター、トリガーマシンクレーン＆トリガーマシンドリルといった、VSビークルの新機種が次々と登場し、それぞれがルパンカイザーやパトカイザーの両腕に合体することによって、さまざまな強化形態になることができます。今後、ルパンレンジャーとパトレンジャーの戦力は、どのように強化・発展していくことでしょうか。ますます激しくなるギャングラーの攻撃に立ち向かう、ルパンレンジャー、パトレンジャーの活躍に期待が高まります。
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