▼ただでさえハッピーな空間に、うれしいサプライズがさらに炸裂!

3曲歌った立花、ペンライトを振ってくれることへの喜びと感謝を一通り語ると、リクエストを募っていたカバー曲の披露へ。夜の部で披露したのは、Hysteric Blueの「春 ～Spring～」のカバーだ。

イントロが流れ曲名のコールがなされると、一気にピンクに染まるフロア。その光景自体も美しく、立花の声質や歌い方とこの曲との相性も非常に良好。これはナイスカバーだ。しかも往年の名曲ということもあってか、要所要所で立花の煽りにフロアのファンもコールで反応。

また、2サビ直前の"歌が好き"のフレーズはセリフっぽいものだったのだけれども、これが歌を好きになった今の立花の気持ちへとリンク。この気持ちをもとに、もっともっと歌い続けてほしいものだ……と思わされつつ、続けてアイドル歌謡曲テイストの「赤いアネモネ」へ。

終始可憐さと儚さを込めた歌声だったが、入りは少々甘くとろけるようなテイストが濃い目。しかし曲の進行とともに、そこには少しずつ強さも増していく。難易度の高いサビ前の三連符もその雰囲気を残したまま見事に歌いきると、2サビ明けには場内に花びらが舞う演出も。そのはらはらと散る様子も、楽曲の持つ切なさをさらに増してくれているようだった。

と、歌い終わったところで場内に「HAPPY BIRTHDAY」が流れ始めるサプライズ! ステージ後方のLEDにも「HAPPY BIRTHDAY」の文字が浮かび上がる。……が、すぐに状況を把握したのか、立花はフロアへとマイクを向けて、抜け目なく歓声を受ける。そしてフロアのペンライトを日に見立て、ウェーブのように端から端まであるきながら、その火を吹き消していった。

さらにもうひとつのサプライズとして、先ほどコメントを寄せた井澤詩織からのバースデーVTRが上映。が、コメントの途中いきなり今から行くと告げ、コメントスペースを立つ井澤。すると映像は走る井澤を追うものへと切り替わり、そのまま井澤がステージに登場!

さすがにこれには、驚きのあまり跪く立花。そしてステージ中央で祝福のハグを交わし、「うちの嫁がお世話になってます」とラジオの相方として挨拶する井澤。このサプライズには立花も笑顔で「びっくりした!」と喜びを隠さず、「疲れが吹っ飛ぶ吹っ飛ぶ!」とうれしがっていた。そして井澤から改めて直接祝福の生メッセージを贈られた立花は、拳を突き上げ「はい優勝!」とひと言。

その喜びの余韻が若干まだ場内に残るなか、ラストナンバーとしてアルバム曲でまだ歌われていなかった曲、「Say Goodbye」を歌唱。歌い出しから立花のボーカルは、光の帯のように清らかに会場中に広がっていく。その歌声は、サビに向けてゆっくりとクレッシェンドしつつも、清らかで温かいもの。しっとりし過ぎもせず、でも聴かせる歌声で本編を締めたのも、素敵なものだったと思う。また同じ"清らか"と称しても、落ちサビと大サビでの気持ちの乗せ方からくる強さの違いからは、さらなるアーティストとしての成長を楽しみにさせられた。

▼これからも"一緒に"みんなと遊びたい

こうしてステージを降りた立花。しかしすかさずアンコールの声が上がり、それに応えて花冠をかぶった立花がステージに再登場。アーティストデビューを発表してからの約4ヶ月を振り返る。

「『"アーティスト感"ってなんだろう?』ってわからないまま突っ走ってきましたが、やってこれたのは応援してくれている皆さんのおかげです。ありがとうございます」と一礼すると、「もっともっといいものをより見せないと……といっちょ前のことを言ってみたりしますけれども」と、またちょっと茶化しながら、そこから来る感情を語ってくれた。

そして「これからも、一緒に遊んでくれますか?」との問いかけに大歓声が上がると、はにかみながら「大好きぃ」とひと言。そのまま最後に、アルバムのリード曲「REALISTIC」を再度披露する。

二度目の披露では一度目とは違い、ファンを煽って一緒に楽しむことに重点を置いたものに。そしてそのアンコールの最中、いい意味で立花の理性のタガが外れたような印象も受けた。「こう見せなければ」ではなく、いま自らのなかで高ぶった想いを、そのまま打ち出していたのだ。それは漠然とパフォーマンス全体にも表れていたし、2-Bメロで「一秒先に行くぜー!」と歌詞に合わせてシャウトする姿など、はっきりと見て取れるポイントもあった。そして会場全体で燃え上がったところで、大サビはまた振付ありで魅せるパフォーマンスに。1曲で両方の魅せ方を行ったのだった。

曲明けには笑顔で、会場全体へと手を振って「超楽しかったよー!」と想いを吐露しつつ、一礼と両手での会場中への投げキッスを残し、バースデーイベントを締めくくったのだった。

トークにライブに、まるごと立花理香を味わえるものとなったこの日のイベント。特にライブパートにおいて様々な方向性の歌声を聴かせてくれた彼女は、今後どのような方向性に自身の進むべき方向を見出していくのだろうか。次に彼女が私たちに差し出してくれる花の色がどのようなものになるか、楽しみにしてその時を待ちたい。

▼立花理香 Birthday event 2018 ～Flora～(夜の部)
2018.03.11＠新宿ReNY
【SET LIST】
M1.REALISTIC
☆トークコーナー
●Flora Challenge
●立花理香を祝ってくれているのは誰だ!?
M2.Flaming Rose
M3.marguerite
M4.gradation
M5.春 ～Spring～
M6.赤いアネモネ
M7.Say Goodbye
EN.REALISTIC

写真:中原幸