名古屋市観光文化交流局 名古屋城総合事務所は6月8日、復元計画に取り組んできた「名古屋城本丸御殿」を完成公開。初日にはオープニングセレモニーも開催する。

  • 「名古屋城本丸御殿」内観

「名古屋城本丸御殿」は、尾張藩主の住居かつ藩の政庁として、1615年に徳川家康の命によって建てられた日本を代表する近世書院造の建造物。総面積3,100平方メートル、木造平屋建こけら葺き書院造、13棟の建物で構成されている。1930年には天守閣とともに、城郭として国宝第一号に指定されていたが、1945年に空襲により建物の全てを焼失した。

同局では、"ものづくりの技、心、自然環境の大切さ"を後世に伝える一大文化事業として、近世城郭御殿の最高傑作と言われる「名古屋城本丸御殿」の復元を2009年1月から進めてきた。さまざまな分野の専門家の協力のもと、木曽の森の檜を使用するなど旧来の材料・工法による旧状再現を原則に復元を行ってきたという。

  • 障壁画も復元

2009年から進めてきた復元計画も、2018年の江戸幕府将軍が宿泊するために建造された「上洛殿」などの完成をもって終了する。復元により伝統技術や技法を受け継ぐとともに、先人の技や知恵を未来へと継承することで、名古屋の活性化につながる拠点を目指すという。

6月8日の9時10分~30分には、名古屋城本丸御殿玄関車寄前でオープニングセレモニーを開催。「名古屋城アンバサダー」に就任が決定した名古屋出身の俳優・舘ひろしさんも登場する。

  • 「名古屋城」外観