東京都交通局は23日、都営地下鉄浅草線の新型車両5500形の営業開始日を6月30日と発表した。新型車両5500形は8両編成で、製造会社は総合車両製作所。最初の1編成がデビューした後も順次導入予定とされ、今後、都営浅草線の全27編成を新型車両に置き換える。

  • 「都営フェスタ2017 in 浅草線」でお披露目された都営浅草線の新型車両5500形。既存の5300形と並ぶ

都営浅草線の新型車両5500形は昨年12月の「都営フェスタ2017 in 浅草線」でお披露目され、その後は「お客様に安全に安心してご利用いただくため、試運転や調整を重ねてまいりました」(東京都交通局)とのこと。「日本らしさとスピード感が伝わる車両」をコンセプトに、都営浅草線沿線とゆかりのある歌舞伎の隈取りを現代的にアレンジした凛々しく躍動感のある外観デザイン、東京の伝統工芸や沿線由来のイラストを使用し、落ち着いた和の雰囲気の中にも遊び心のあるインテリアデザインが特徴となる。

既存車両と比べて座席の幅が拡大され、大型化した見通しの良い袖仕切りを採用。全車両に車いすスペースまたはフリースペースを設置し、乗降口脇のスペースを拡大してラッシュ時でもスムーズな乗降を可能とした。吊り手と手すりの数を充実させるとともに、低い吊り手・荷物棚も設置。ドアは万が一挟まっても引き抜きやすいタイプとしている。冷房能力の強化、空気清浄機能の採用で快適な車内空間となり、多言語対応2画面液晶モニターの設置で訪日外国人にも充実した案内情報を提供する。全照明にLEDを採用し、次世代半導体素子SiCを採用したVVVF制御装置を搭載するなど、環境にも配慮した。

  • 新型車両5500形では乗降口脇のスペースが拡大され、車いすスペース・フリースペースも全車両に

  • 座席の幅を拡大し、冷房能力の強化や空気清浄機脳の採用など快適な車内空間に。防犯カメラも設置

  • インテリアに和紙や寄せ小紋、江戸切子などの柄や沿線由来のイラストも使用。吊り手の数を充実させ、多言語対応2画面液晶モニターも設置している

新型車両5500形の営業運転開始を記念し、YouTube都営交通公式チャンネルにて期間限定のウェブ動画「KABUKI UNDERGROUND」の放映もスタート。若手歌舞伎俳優の中村壱太郎さんが出演し、歌舞伎の代表的な「獅子物」の舞とともに新型車両の登場を印象的にアピールしている。ウェブ動画の公開にあたり、中村壱太郎さんは「まさか線路の上で踊るとは思ってもおらず驚きでしたが、歌舞伎の隈取りの化粧をイメージした新車両と勇壮な獅子の毛振りとのコラボレーションは迫力満点です」とコメントしている。