産休・育休中にボーナスの支給日が設定されている場合、ボーナスを受け取ることはできるのでしょうか? また、出産手当金などの受給額には影響しないのでしょうか? 産休・育休中のボーナスについてまとめみました。

  • 産休・育休中のボーナス事情

産休・育休中のボーナスは、就業規則をチェック

結論からお伝えすると、産休・育休中にボーナスがもらえるかどうかは、会社の就業規則によります。

そもそもボーナスは、給料とは違って、法律で支払いを義務付けられたものではありません。会社と従業員の合意のもと、自由に決められるものです。会社にボーナス制度があれば、就業規則の内容を参照しましょう。

例えば就業規則に「賞与は、支給日に在籍しない者には支給しない」とあったときにはどうでしょうか。ボーナス支給日に産休・育休中だったとしても、会社に雇用されていることに変わりはありませんから、この場合はボーナスをもらう資格があります。ですが、資格があっても、支給があるとは限りません。

産休・育休中のボーナス支給額はどんな基準で決まる?

ボーナスには、支給額を決めるための評価期間があります。会社によっては査定期間や対象期間などと言ったりしますが、呼び名が違うだけで同じことです。

夏と冬の1年に2回ボーナスがあるときは、評価期間も1年に2回です。この評価期間の全てが産休・育休で休業だった場合、ボーナスがもらえないケースが多いです。給与計算の基本は「働いた人に賃金を支払う」ですから、もらえなくても仕方がないということになります。

ただ、会社によっては評価期間に休業していても支給されるケースがあるので、こちらもやはり、就業規則を確認しましょう。

  • ボーナスの評価期間を確認しよう

ボーナスを出さないのは違法か

就業規則に「賞与は、休業中の者には支給しない」とあっても、評価期間中に1日でも働いていたときには、それに応じた支給がないと、違法ということになります。

例えば、冬のボーナスの評価期間が4~9月で、支給月が12月だった場合、6月から休業していたケースではどうでしょうか。4~5月は働いていたのですから、これに応じた支給がされなければなりません。一方で、6~9月の休業中の取扱いについては、会社の就業規則に従います。

働いた期間があっても、就業規則に「賞与は、会社の業績と個人の成績を勘案し各人ごとに決定する」とあるときは、会社の業績次第で支給がされない場合もあります。

ボーナスが出産手当金に影響することはないの?

出産手当金は、産休・育休中、給料をもらうと受給額が減ったり、受給できなかったりする可能性がありますが、年2回ほどのボーナスをもらう場合に影響はありません。年3回以下のボーナスは、出産手当金などの支給額の計算には含まないという決まりがあるからです。

ただし、年俸制の場合は注意が必要です。ボーナスは「支給額があらかじめ確定されていないもの」ですが、年俸は「支給額があらかじめ確定されているもの」。ボーナス期に支給されたとしても、給料と同じ扱いになります。

年俸制でも、会社の業績が良かったなどの理由で、年3回以下の臨時報酬を得た場合は、受給額は減りません。

出産手当金
会社の健康保険に加入する人が出産により休業したとき、産休期間の範囲内で支給されます。支給額は、給料のおよそ2/3です。休業していても、給料の支払いがあって、給料の額が出産手当金の額を上回るときは、出産手当金の支給はありません。給料の額が出産手当金の額を下回るときは、出産手当金と給料の差額が支給されることになります。

出産育児一時金
健康保険に加入する人が出産したとき、一律で支給されます。支給額は、出産費用のうち42万円(産科医療補償制度対象外は40万4,000円)です。給料やボーナスの支払いがあるかどうかによって、支給額が減額されることはありません。

育児休業給付金
雇用保険に加入する人が子育てをするために休業したとき、子どもが1歳になる誕生日の前々日までを期間とし、その範囲内で支給されます。支給額は、休業に入って最初の6カ月が給料のおよそ2/3、それ以降は給料のおよそ半分です。

平成29年10月からは、子どもが1歳になった後も休業が必要だと認められたときに受給資格の確認ができれば、子どもが2歳になる誕生日前々日まで支給期間が延長できることになりました。

休業中に給料の支払いがあったときは、育児休業給付金は減額または支給がされません。

  • 産休・育休中にもらえる手当の内訳(執筆者作成)

給料も手当も入らない期間に注意

働く女性がもらえる出産手当金は、支給されるまでに時間がかかります。そのため、一般的に産後2カ月半くらいまでは、給料も手当も入らない状態に。出産・育児には何かとお金がかかりますので、家計は苦しくなりがちです。

例えば月払いの保険料を年払いに変更する、スマホの料金プランを見直すなど、できるところから家計を引き締めていきましょう。

子育てが始まると日々に追われ、お金と向き合う時間を確保することが難しくなるもの。妊娠をきっかけに、お金や家計、教育費について考えたり、調べたりして、家計に向き合ってみてはいかがでしょうか。

※写真と本文は関係ありません

森文子(もり・ふみこ)
ライフイズスイート 代表
元・税理士事務所職員。勤務歴19年。第2子出産を機に、ファイナンシャルプランナーとして起業。現在は、事業に関する相談だけでなく、家計についての相談にも幅広く対応。根本的なところからお金に関する問題を解決していくことを重視している。主に相談・講師業を中心に活動中。1975年2月生まれ。兵庫県出身。うお座O型。ホームページ「ライフイズスイート」を運営。AFP/マイライフエフピー認定ライター