■4位『湾岸MIDNIGHT』(楠みちはる)

4位は、6位の『シャコタン☆ブギ』と同じく楠みちはる作の『湾岸MIDNIGHT』。1990年より、『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)および『週刊ヤングマガジン』(講談社)にてシリーズ連載された。また、本作を原作とする実写映画やアニメ、ゲーム作品も多数制作されている。 主人公・朝倉アキオが駆る初代フェアレディZ(S30型)、通称"悪魔のZ"を中心にストーリーが展開。首都高などでの公道バトルをアキオに挑み、そして敗れ去っていく者たちの人間模様を描いている。

"悪魔のZ"は、排気量をボアアップし3.1リッターに拡張。ツインターボ使用で、初期設定では約600馬力、最高速度300km/h以上のスペックを誇るモンスターマシンだった。800馬力まで出力アップが可能だが、現状ではアキオの意思で500馬力程度に抑え、フラットなトルク特性を優先したセッティングとなっている。塗装はミッドナイトブルー。アキオの元に来るまでに、何度もクラッシュを繰り返し、死亡者や負傷者の山を築いていたことから、"悪魔のZ"の異名がついた。

■5位『F』(六田登)

5位は、六田登のモータースポーツ漫画『F(エフ)』。1986〜1992年まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で連載された。粗暴な性格ながら天才的なドライビング・テクニックを持ち、F1ドライバーの夢へ向かって突き進む主人公・赤木軍馬を、父であり赤木財閥の総帥である赤木総一郎との愛憎や葛藤、エディプスコンプレックスの克服などを絡めて描いている。

妾の子であった軍馬は父への反抗心から家を飛び出し、フォーミュラレースの世界へとその身を投じた。FJ1600からスタートし、全日本F3選手権、F3世界一決定戦、国際F3000選手権へと歩みを進める。その間、近しい人たちの不幸に接しながらも、ついにはF1チーム「GOKT(ゴクト)」を結成。空力を向上させる特殊塗装「イルカペイント」を開発し、F1へ参戦する。軍馬の口癖である「何人(なんぴと)たりとも俺の前は走らせねぇ。」という台詞は、彼の負けず嫌いな性格と、天才的なドライビング・テクニックの象徴として、作中で効果的に使われていた。

■6位『シャコタン☆ブギ』

6位『シャコタン☆ブギ』(楠みちはる)は1986~1995年、『週刊ヤングマガジン』(講談社)で連載された青年漫画。ダブりの高校2年生・山本はじめが、親に買ってもらったソアラをシャコタンにして、日々ナンパに明け暮れるというストーリーとなっている。連載途中でソアラのエンジンをRB26DETTに換装しており、後半は「走り」をメインとしたクルマ漫画としての色彩が強まった。

■7位『ジゴロ次五郎』

7位『ジゴロ次五郎』(加瀬あつし)は、2002〜2007年まで『週刊少年マガジン』(講談社)に掲載された。主人公は、クルマ好きの高校3年生、石川次五郎。彼が偶然手に入れたスクラップ寸前のS13シルビアは実は、まるで自分の意思を持っているかのような走りから「妖車」と呼ばれた伝説のクルマだった。当初はシルビアに頼りきりの気弱な青年だったが、その力に振り回されながらも徐々に「妖車使い」として覚醒。喧嘩や恋などを経験しながら、男としても走り屋としても大きな成長を遂げていく。

■8位『カウンタック』

8位『カウンタック』(梅澤春人)は、『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて2004~2012年まで連載。子どもの頃の憧れだったランボルギーニ・カウンタック LP400を手に入れた主人公・空山舜が、それまでの"カネなし女ナシ"のサラリーマン生活に別れを告げ、新たな人生を歩むさまを描いている。作中にはフェラーリ、ランボルギーニ、マセラティ、ポルシェなどの名車が多数登場し、スーパーカーファンの注目を集めた。

■9位『オーバーレブ!』

9位『オーバーレブ!』(山口かつみ)は、1997~2004年に『週刊少年サンデー』(小学館)で連載されたカーレースバトル漫画。競技中のアキレス腱断裂が原因でインターハイ出場の夢を絶たれた元陸上選手・志濃涼子が、天才肌のドライバーでありキャバクラ嬢の森田佐和子と出会い、ドリフトの魅力に目覚めていく。MR2やシルビア、シビックといった市販車をチューニングし、その能力を引き出すシーンにもリアリティが感じられる。

■10位『赤いペガサス』

10位『赤いペガサス』(村上もとか)は、1977~1979年に『週刊少年サンデー』(小学館)で連載。当時、日本ではまだマイナーなモータースポーツだったF1にスポットを当てたレース漫画として知られている。主人公の日系英国人レーサー、ケン・アカバ(赤馬研)の活躍を、連載当時の実在のレーサーやF1マシン、実際のレースを元にしたエピソードなどを交え描いた。ケンの血液型が世界でも珍しい"ボンベイ・ブラッド"であるという設定も、作品の緊張感を高めている。