フリーランスとパラレルワーカーの非営利支援団体「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」は4月23日、独立系/副業系フリーランスの実態をまとめた「フリーランス白書2018」を発表した。
同白書は協会の一般会員およびメルマガ会員、SNSフォロワー1,141名の有効回答と、1,000名の会社員の実態およびパラレルキャリア(副業や複業)への関心や課題を調査した資料を元に作成された。
フリーランスの実態
白書では、フリーランスとして活躍する人が、会社員時代と比較して、仕事への満足度や培ったスキルや人脈、労働時間や収入への心象が変化したかを調査して報告している。そこから浮かび上がるのは、自身の裁量で仕事をすることで、仕事への主体的な取り組みが増えて達成感が向上した心情だ。また、回答者の過半(61.5%)が労働時間を減少できたと回答している。なお、収入に関しては増えた人、減った人がそれぞれ4割で、ほぼ同数となっている。
フリーランスの年収調査では、ビジネス系(経理・財務、法務、広報、マーケティングなど)、IT・クリエイティブ系(Web/グラフィックデザイナー、エンジニア、翻訳・通訳など)、士業系(弁護士、司法書士、公認会計士など)が比較的年収が高く、接客・作業系(店舗接客、工場・建設現場、事務作業)は比較的年収が低い結果となっている。特にエンジニア、Webデザイナーは売手市場も影響し、報酬が高騰傾向にある。
さらに興味深いのが、年収800万円以上のフリーランスは「エージェントサービス」や「過去・現在の取引先」を通して仕事を受注しているが、年収100万円未満のフリーランスは「クラウドソーシング」や「シェアリングエコノミー」から仕事を受注している調査結果だ。様々なマッチングサービスが登場しているが、依然として、人脈や実績などリアルなつながりが仕事を広げているようだ。
フリーランスと会社員の比較
別の調査報告を見ると、フルタイムフリーランスの年収(月の平均勤務時間が140 時間以上の人)のボリュームゾーンは300~500万円で、年収分布は会社員と比較して大きな変化は見あたらない。
この調査報告で特徴的なのは、会社員の41.8%が副業に意欲的であり、その割合は転職(31.2%)よりも多いという結果だろう。厚生労働省によるモデル就業規則の改定により、副業を解禁する企業が増えていること、クラウドソーシング等のマッチングプラットフォームにより気軽に仕事を探せるようになったことが副業への敷居を下げる結果となったといえる。
しかし興味はあっても、副業への不安を感じている人は多く、漠然とした不安や、「どう始めてよいか分からない」など解決すべき課題は多い。