近畿日本鉄道は29日、田原本線の開業100周年を記念した復刻塗装列車の運行について発表した。1980年代半ばまで田原本線で運行された820系の塗装色を施し、4月1日から運行開始。田原本線で運行される際、復刻版角型特殊看板(ヘッドマーク)が掲出される。
西田原本~新王寺間(10.1km)を結ぶ田原本線の歴史は古く、開業は1918(大正7)年4月26日。戦前・戦後にかけて大和鉄道の路線として運行されたが、1961(昭和36)年に信貴生駒電鉄と合併。3年後の1964年、近畿日本鉄道に合併された。かつては生駒線とともに奈良線の小・中型車の活躍の場となっていたが、1992年3月のダイヤ改正を機に大型車の8400系が投入されたという。
開業100周年を記念した復刻塗装列車は田原本線などで運行される。8400系1編成(3両編成)を使用し、マルーンレッドの車体にシルバーのラインを入れ、かつて田原本線で活躍した車両820系の塗装色を再現した。田原本線では、大和鉄道の社章をもとに新たに作成した復刻版角型特殊看板(ヘッドマーク)を掲出しての運行となる。
田原本線は歴史的経緯もあり、他の路線から孤立した路線となっているが、西田原本駅は近鉄橿原線田原本駅に近接し、駅北側に橿原線との連絡線もある。新王寺駅もJR関西本線(大和路線)・和歌山線および近鉄生駒線の王寺駅に近接した駅で、徒歩で乗換え可能。田原本線の列車は現在、西田原本~新王寺間で毎時2~4本程度の運行となっている。