みなさんは、休暇を取るときに「私用でお休みします」と言いますか? それとも「所用」ですか? 字も音も似ているだけに、迷う人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「私用」と「所用」の違いについてご紹介したいと思います。
■「私用」と「所用」の意味
「私用」と「所用」の意味を調べてみると、「私用」は「自分のために使うこと」「自分の用事。私事」、「所用」は「用いること。用いるもの」「用事。用件」と記載されています。
「私用」と「所用」が紛らわしいとされているのは、両者に共通して「用事」という意味があるからです。
■「私用」と「所用」の違い
では、「私用」と「所用」はどう違うのでしょうか。両者の意味を改めて見比べてみると、私用は「自分の用事」、所用は「用事」となっています。つまり、「所用」は用事全般のことで、「私用」は、その用事全般の中の私的な用事に限定されます。「私用」は、「所用」の中に含まれるわけです。
■「私用」と「所用」の使い方
「私用」「所用」は、休暇を取る際に使われることの多い言葉です。会社を休む理由には、子どもの入学式や看病、法事、旅行、通院などさまざまですが、どれも「私的な用事」でしかありません。よって、休暇の申請時に「所用でお休みします」と言っても、「私用でお休みします」と言っても間違いではないのです。
もちろん、「明日は娘の入学式なので……」と、はっきりと理由を述べるに越したことはありませんが、時には、「明日からワールドカップの応援でブラジルに……」とか「夫婦喧嘩をして妻が実家に帰ってしまって……」など、人には言えない・言いたくない理由もあるでしょう。そんな時こそ、「私用」「所用」の出番です。
大抵の人は、言いたくないような事情があることを汲みとってくれるものです。ただし、会社によっては、有事の際に連絡を取らなくては業務に支障をきたす場合など、理由を求められる場合もあります。そんな場合は、人に知られたくないような理由は上長だけに、休みづらい理由の場合はあたりさわりのない理由を述べるなど、臨機応変な対応も時には必要かもしれません。
今回は、「私用」と「所用」の違いについてご紹介しました。便利な言葉ではありますが、理由もなく休まれることに不快感を抱く人もいるでしょうし、毎回そんな休み方をしていては信頼を失うことにも繋がり兼ねません。どんな用事で休むのか、なるべく話した方が良いでしょうし、また、話しやすい職場であってほしいものですね。