日産自動車はミニバンの「セレナ」に電動パワートレーン「e-POWER」の搭載モデルを追加する。エンジンで発電し、モーターでクルマを走らせる「e-POWER」は、日産が小型車「ノート」に搭載し、市場から好評を博した技術。セレナはノートに続けるだろうか。

  • 日産「セレナ」

    日産のミニバン「セレナ」に新たなモデルが追加となる

重いミニバンとモーター駆動の相性は?

セレナは現行モデルが5代目となる日産のミニバン。現行セレナは日産が“高速道路同一車線自動運転技術”と表現する「プロパイロット」(機能について詳しくはこちら)搭載車の第一弾として、2016年8月に発売となった。

そのセレナに電動パワートレーンを搭載する「セレナ e-POWER」というモデルが追加となる。発売は3月1日だ。e-POWERとはガソリンを給油してエンジンを回し、そこで発電した電力を使ってモーター駆動でクルマを走らせる技術。給油する点では既存のエンジン車と変わらないが、走りの力強さや静けさは電気自動車(EV)と同じという特徴を持つ。

モーター駆動では力強い加速が可能なので、重いクルマであるミニバンのセレナにe-POWERが加われば、例えば交差点で停止状態から発進するときなど、スムーズにスピードに乗せることができそうだ。

  • セレナの加速に関するスライド

    重いクルマでも力強い加速が可能となるという

セレナに「マナーモード」が追加!?

日産の新車発表会で面白かったのは、セレナ e-POWERでは「マナーモード」が使えるという表現だ。マナーモードとは、発電用のエンジンを止めて、バッテリーにチャージした電力を使うことで静かにクルマを走らせる走行モードのこと。このモードを使えば、例えば会社や旅行からの帰宅時、遅い時間に住宅街に侵入する必要が生じた場合、騒音を抑えられるので周囲に迷惑をかけずに済む。

  • 日産「セレナ」

    マナーモードを使えば夜中に帰宅する場合でも騒音を気にせずに済むかもしれない

セレナ e-POWERは1.8kWhのバッテリーを積むが、マナーモードの使用に必要な充電は、普通に走って1~2分で済むとのこと。つまり、家に着く少し前にバッテリー充電走行を行う「チャージモード」を起動し、自宅周辺の住宅街に入るときにマナーモードを起動させれば、静かに家の前まで走っていけるという寸法だ。マナーモードでの航続可能距離は2.7キロとしてあるが、これは走り方にもよるそうで、エンジンをかけずに走らせるコツを知る日産の説明員によれば「自分だと倍くらいは走れました」とのことだった。