国が違えば物価や収入も違うもので、月5万円もあれば楽に暮らせる国もあるという。母国での生活費を稼ぐために、日本に働きに来る外国人も少なくないと聞く。そこで今回は、在日外国人20名に「年収1,000万円ですごく忙しい職場」と「年収250万円でゆったりした職場」のどちらで働きたいか、聞いてみた。

Q.「年収1,000万円ですごく忙しい職場」と「年収250万円でゆったりした職場」を選べる場合、あなたはどちらで働きたいですか?

■年収1,000万円ですごく忙しい職場

  • 「もちろん、年収1,000万円の方を選びます。ゆったりした仕事をしたい人は会社をやめた方がいいと思います。一年間分と考えたら、忙しい職場の方が自分にとって成長できると思います」(カンボジア・20代前半・男性)
  • 「難しいですね…でも1,000万円の方がいい、かな。休みの時には好きなことなんでもやり放題にできますから」(アメリカ・30代前半・女性)
  • 「年収1,000万円ですごく忙しい職場です。忙しかったら、やり甲斐のある仕事でもあるはずです」(イタリア・20代前半・女性)
  • 「"年収1,000万円ですごく忙しい職場" 仕事が忙しいのが良い」(マレーシア・40代前半・男性)
  • 「年収1,000万円ですごく忙しい職場」(タイ・40代前半・男性)
  • 「年収1,000万円ですごく忙しい職場」(インド・30代前半・男性)
  • 「年収1,000万円ですごく忙しい職場」(ロシア・20代前半・男性)
  • 「年収1,000万円ですごく忙しい職場」(ポーランド・30代前半・男性)
  • 「年収1,000万円ですごく忙しい職場」(スペイン・40代前半・女性)
  • 「前者」(中国・20代前半・女性)

■年収250万円でゆったりした職場

  • 「家族がいるから後者。シングルでしたら前者も有り」(ハンガリー・30代後半・女性)
  • 「安いけどゆったりした職場がいいです。フィリピン人は遊び時間と気持ちのゆとりを大切にするのです」(フィリピン・30代後半・女性)
  • 「ゆったりしてそんなにお金を稼げない職場の方がいいと思います。ストレスをためるのが苦手ですから」(スペイン・30代前半・男性)
  • 「後者です。自分なりの生活を守りたいです」(香港・20代後半・男性)
  • 「すごく忙しいと体を壊すかもしれないので、余裕があれば"年収250万円でゆったりした職場"で働きたいです」(パラグアイ・50代・女性)
  • 「年収250万円でゆったりとした職場です」(ペルー・40代前半・女性)
  • 「年収250万円でゆったりした職場で働きます」(エジプト・30代前半・女性)
  • 「後者を選びます」(ドイツ・30代前半・男性)

■どっちもどっち

  • 「短いスケールだったら、"年収1,000万円ですごく忙しい職場"を選びます。長い目で見ると、"年収250万円でゆったりした職場"の方が良いです」(シリア・30代後半・男性)
  • 「両方ともプラスマイナスがあります。決められない。将来的など、どっちの仕事に興味を持っているかによって変わります」(オーストラリア・30代後半・女性)

総評

アンケートの結果、「年収1,000万円ですごく忙しい職場」を選んだ人の方が、若干多かった。勿論、「1,000万円」という金額に魅かれた人もいたが、意外にも「忙しい方が成長できる」「やり甲斐がある」など、働く意欲満々の回答も目立った。中には、「ゆったりした仕事をしたい人は会社を辞めた方がいい」と厳しい意見も。年収1,000万円もらえる仕事に、"ゆったり"は有り得ないようだ。

一方、「年収250万円」を選択した人は、お金よりも「プライベート」や「健康」重視。仕事に追われてストレスを溜めるよりも、時間と気持ちにゆとりのある「自分なりの生活を守りたい」とのことだった。ただ、いくら時間があっても、それなりに収入がなければ出来ないこともある。逆もまた然り。いくらお金があっても、健康と時間がなければ出来ないこともある。

政府の働き方改革でも長時間労働への対策が急務となっているように、日本人は働きすぎ・働かせすぎる傾向がある。「日本の企業で働く際に心配に思うこと」を問うアンケートでも、「残業」を挙げた外国人が多かった。そんな日本で働く外国人は、日本での労働量とそれに対する対価について、満足しているのだろうか。

いずれにせよ、体を壊しては意味がない。自分の能力とペースに合った職場で働いた上で、それなりの報酬を得るのが一番。あなたに合った働き方は、どっちだろうか。