ノートに日々の支出を時系列に記録するシンプルな家計簿が話題となっている"づん"さん。自作の家計簿を「づんの家計簿」というハッシュタグ付きで紹介したインスタグラムの投稿は、多くのママたちがお手本にしています。

しかし、いくらシンプルでも「続けられるの?」「本当に節約につながるの??」という疑問もあるはず。そこで今回は、づんさんに家計簿を続けるコツや、家計簿をつけ始めたことによる生活の変化について聞きました。

づん


鹿児島県出身。夫、4歳の息子、3歳の娘、0歳の息子と共に島根県在住。自作の家計簿をインスタグラムに投稿したところ大人気となり、2016年に発売された書籍はベストセラーに。フォロワーも5万9,000人を超え、「づんの家計簿」のタグは3万件以上の投稿が集まっている。インスタグラムのアカウントは「@zunizumi

づんさんの家計簿の特徴


左上には固定費に加え、貯蓄額や保険の額、出費予定を記入。家族の予定や誕生日などと関連付けて記入するので、子育て家庭は取り入れやすそう。
その他のスペースに、毎日の支出額とその合計額などをシンプルに記入していくだけでOK。現在づんさんはご自身で発売されている「家計簿ノート」を活用し、家計管理をしているそうです。

「今がチャンス!」と隙間時間に家計簿を開く

――家事や育児で日々忙しく、家計簿を続けていく自信がありません。3人のお子さんの子育てに奮闘される中で、どうやって家計簿をつける時間を捻出していますか?

私も今、自分の思うように時間を過ごすことはできていません。だからこそ隙間時間がとても貴重な時間となり、「今がチャンス!」というタイミングが来たら、まずは家計簿を開くようにしています。

以前はそんな時ついついスマホを見がちでしたが、もったいない時間の過ごし方をしていたなぁと後悔の気持ちが残っています。

  • 家計簿をつけている横で子どもたちがお昼寝したり遊んでいたりというのはいつもの光景だそう

――子育てが大変なときに家計簿をお休みしたいと思うことはありませんか?

家計簿の時間は楽しみの一つにもなっているので、気軽に取り組めています。慌ただしいときこそ、お金のモヤモヤを取り払いたいので、お休みしたいという気持ちは全く生まれないです。つけないとモヤモヤして不安からピリピリしてしまうと思うので(笑)。

家計簿をつけたことで子どもたちにも変化が

――家計簿をつけることについて、子どもたちにどうやって言い聞かせていますか?

子どもたちには「おかあちゃん今から家計簿つけるからね~」と声をかけたり、「一緒にお絵描きタイムしよう!」と誘って一緒にテーブルに向かったりしています。がんばって取り組んで家計簿がつけ終わったときには、子どもたちもうれしそうにしてくれます。

――具体的に子どもたちにどんな変化がありましたか?

最近、長男は新聞や空き箱での工作を楽しむようになり、その分おもちゃを欲しがることが減りました。また、長女も私が使っているノートやペンが気になるようで、テーブルに向かうことが増えています。家計簿に限らず、何かに夢中になって取り組む姿を子どもには見せたいと思っています。

家計の現状把握が将来のために何より重要

――子育て世代にとって将来のための貯金は大きな課題ですが、どのように考え、実践されていますか?

将来のことは分からないのが正直なところで、まずは今の生活を成り立たせるべきだと思います。今の家計が不安定だと、将来も不安な生活が続くと思うので、限られた予算内での生活に慣れることが大切です。家庭でどのくらい出費をしていて、どれくらい貯金できているのか把握することが、何より重要だと思います。

――10月に出版された書籍の中では、部屋の整理術についても記載されていますね

づんの家計簿をつけ始めてから、部屋の中も整ってきました。必要以上の物を買わなくなったことと、ストックを持ちすぎないようになったことで、家の物を把握できるようになりました。その意識から、必要のないものが何か分かってきて、断捨離もはかどるようになりました。家計と家の中の物の把握は繋がっていますね。

  • モノを置かない暮らしを心がけているというづんさん

  • モノの置き場所を決めやすくしているという

家計管理をきちんとすると家庭全体が明るくなる

――家計について夫婦間でどのような話し合いをされていますか?

以前は出費の相談をされるたびに嫌な気持ちになり、何かとすぐピリピリした空気を出していましたが、家計簿をつけ始めてからは自信がついて、積極的に我が家の状況を夫に報告するようになりました。

私自身も次の月に向けて改善しようと意欲が芽生えますし、夫も我が家の状況を知ることで、限られた生活費を大事に使おうと意識するようになりました。

意識が改善できてからはそれが当たり前のように定着してきたので、マイホームや欲しいもの、旅行計画など、大きな出費の話も楽しく会話できるようになりました。

――家庭の中で家計簿はどのような意味を持つとお考えですか?

物事を円滑に進めるために必要な存在です。やりくりする人の心も安定し、家計管理に自信がつくと良い運も入ってくると感じています。順調な時って、いろいろなことがはかどりますよね。今、自分自身がそのような感覚です。

  • 家族で過ごすかけがえのない時間のために使うお金は必要なもの。そのために、家計簿をつけるのだという

――子育て中のパパやママに対して、家計簿をつけるうえでのアドバイスや、家計簿をつけることで生活にどのような変化が期待できるか、教えてください。

まず、家計簿をつける目的は何なのか明確にすることで継続しやすくなります。「みんながつけているから」など安易な気持ちで始めると、挫折しやすいと思います。

本気で取り組む気持ちがあれば、あとは楽しく続けるのみです。きれいに書くことを意識しすぎるのもストレスになるので、間違えてもあまり気にせず、「家計の把握」という目的を忘れずに取り組んでもらいたいです。

また、家計の動きは夫婦2人で共通認識を持つことが大事です。1人でがんばっても、もう1人が散財しては意味がありません。やりくりしている人が笑顔になると家族みんなが安心して、家庭全体が明るくなるはずですよ☆

※画像は『毎日が幸せになる「づんの家計簿」 書けば貯まるお金ノート 』(ぴあ)より引用

『毎日が幸せになる「づんの家計簿」書けば貯まるお金ノート』(税別1,300円/ぴあ)


2017年10月に発売された、づんさんにとって2冊目となる著書。づんさん家族の1カ月の生活を家計簿になぞって紹介しており、読者が参考にしやすい内容となっている。家計簿のつけ方だけでなく、家計管理に基づいた部屋の整理術や買い物方法など、生活のコツも紹介されている。